夜勤、ハードワークによる自律神経の乱れ│原因と対策

人は、自律神経に支障をきたすと、心身にさまざまな不調が現れるようになります。

自律神経のバランスが乱れる原因は、私たちの生活環境の中に数え切れないほど存在します。

中でも、会社での仕事によって自律神経の調子を悪化させる方は多く、「夜勤」や「ハードワーク」は心身に大きなストレスを与える要因のひとつです。

人にとって仕事は生活を支えるめに不可欠なものですから、ついつい健康を度外視して働いてしまうこともあるでしょう。しかし収入を優先して健康を犠牲にしてしまうと、仕事そのものを続けられなくなる危険性も十分に考えられます。

ここでは、夜勤やハードワークがもたらす自律神経への悪影響や、その対策をご紹介します。

夜勤がもたらす自律神経への悪影響

人の体の中には「時間スケジュール」が存在します。

  • 活動時間と休息(睡眠)時間
  • 消化・吸収・代謝・排泄時間
  • 細胞分裂をし新陳代謝をする時間
  • 情報収集と記憶時間

など、これらは自然界の「概日(がいじつ)リズム」と連動しています。概日リズムとは、太陽が上って下りる時間のリズムのことです。

人は「昼行性動物」ですから、太陽の光があるときに活動をし、そして日が沈むと休息しはじめるというタイムスケジュールで生きるのが理想です。

そして、自律神経には「活動と休息」を概日リズムに合わせて体の動きをコントロールする働きがあり、日中には心拍数と血糖値を上げて体温を上昇させ、反対に日が沈んだら体の活動を弱めて睡眠まで誘導していきます

また、食事をして排泄するまでの時間も自律神経がコントロールしています。日中食べたものを消化させ、睡眠中にエネルギーに代謝したり、ホルモンや酵素を作るために睡眠中に代謝するという具合です。

これらはすべて自然界の時間にマッチした動きであり、ここから外れるスケジュールを実行しようとすると、自律神経に障害が起こり始めます。自律神経に司令を送る脳中枢が混乱し、自律神経にもでたらめな信号を送るようになるのです。

もうお気づきかもしれませんが、「夜勤」は人の”概日リズム”と真逆の時間生活をすることになります。

昔はほとんど存在しなかった夜勤ですが、経済の発展とともに現れたこの就業スタイルは、自律神経の乱れを生み出す結果になっているということです。

たいていの場合、夜勤は日勤よりも収入が高いものです。これは、人間らしい生活を犠牲にすることへの対価だということなのでしょう。

しかし、いくらか高いその報酬のために、人の健康の要である自律神経を痛める危険性があることを、まずしっかりと認識することが大切です。

ハードワークによって自律神経失調症になる理由

近年では、ハードワークによって自律神経が乱れ、それが自律神経失調症や不安障害などの精神疾患になるケースが急増し、社会問題となっています。

月100時間などの多すぎる残業によって人の心身にもたらされるダメージは大きく、もはやそれは”精神力”では補えないレベルです。

また、ハードワークによって自律神経失調症になるケースは、肉体労働よりもむしろ知的労働をする労働者に多く、これは「精神的ストレス」が原因であることの裏付けだといえるでしょう。

ハードワークは、度がすぎると働く人をネガティブな思考に変えてしまいます。「いつ終わるんだろう?」「こんな生活がずっと続くのだろうか?」「自分の将来はいったいどうなるのだろう?」といった、慢性的なストレスが脳裏をよぎり、それが強いストレスとなるのです。

セロトニンの減少がもたらす恐怖

脳内の神経伝達物質のひとつである「セロトニン」は、疲労やストレスによってたくさん消費される性質ですので、長時間労働・ハードワークを何ヶ月も続けていると、最後には「枯渇」してしまいます。

コントロールの利かなくなった脳機能は、自律神経にでたらめな信号を送り、緊張や不安・恐怖感といったネガティブな感情を発起する「交感神経」に切り替わったままになってしまうのです。

こういった状態では睡眠中も脳と体が興奮状態にあるので、熟睡できずに肉体の疲労も蓄積することになります。

その疲労感もまた、新たなストレスとなり、負の連鎖を作り出してしまいます。

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夜勤やハードワークによって自律神経を乱さないために心がけること

夜勤やハードワークによって自律神経の乱れが現れた場合、「夜勤をなくしてもらう」「仕事量を調整してもらう」ことが本来の理想の解決法かもしれません。

しかし、それぞれの人にそのまま働かなくてはならない事情もあるかと思いますので、少しでも状態を悪化させない対処法を覚えておきましょう。

「夜勤」が原因で自律神経の乱れに繋がっている場合は、以下のような対策がおすすめです。

〈夜勤が原因で自律神経失調症になった人の対策〉

  • 部屋を真っ暗にできるようにカーテンなどを工夫する
  • 睡眠直前に飲食をしない
  • 睡眠前に半身浴をしてから眠る
  • 休日に「寝だめ」をしない
  • 睡眠系・リラックス系サプリを利用する

夜勤による不調を少しでも減らすには、睡眠の質を高め、脳と体の修復機能を高めることが重要です。

また、疲れているからといって、休日にいつもより多く眠りすぎる「寝だめ」は逆効果になることがあります。問題は「概日リズム」と「体内時計」が合致していないことですので、生活の時間を不規則にすることは避けましょう。

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次に、「ハードワーク」によって自律神経失調症になったケースの対策です。

〈ハードワークによって自律神経失調症になった人の対策〉

  • 毎日ストレスケアをする(アロマ・ヒーリング音楽・瞑想・ストレッチ・有酸素運動など)
  • 半身浴を取り入れる
  • 趣味の時間を作り仕事のことを忘れるようにする
  • 睡眠系・リラックス系(トリプトファン・ギャバ・クワンソウなど)のサプリを利用する

”ハードワーク”といっても、肉体面だけではなく「精神面」にもアプローチすることも忘れてはいけません。

疲れているからといって、帰ってから入浴もせずに食事を食べてそのまま睡眠・・・といったことを続けていると、気分と自律神経の切り替えが不十分になり睡眠の質も悪くなります。

1日に短い時間でもいいので、気持ちを切り替えるためのストレスケアや、趣味の時間を設けることで、短くても質の高い休息が得られるようになります。

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こころの不調で精神科や心療クリニックを訪れる患者のほとんどは、仕事を持つ社会人だそうです。

毎日忙しく働いていると、つい後回しにしてしまう「ストレスケア」ですが、手遅れになる前に日頃から意識して取り入れる必要があるでしょう。

リラックスに役立つサプリメントやアロマ、瞑想など、何か一つでも日常生活に取り入れてみることをおすすめします。

〈まとめ〉

  • 夜勤によって自律神経が乱れる理由は概日リズムに合わない生活が原因
  • ハードワークによって自律神経が乱れる理由は精神的なストレスが原因であることが多い
  • 夜勤が原因で自律神経が乱れるケースでは睡眠の質を高める工夫で対処する
  • ハードワークによって自律神経が乱れるケースではストレスケアに重点を置いて対処する
  • 夜勤・ハードワークの両方の原因に睡眠・リラックス系サプリの利用が効果的


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