自律神経を落ち着かせる・安定させる方法5選

ストレスからくる不調は「ある日突然起きる」ように感じられますが、実はその原因は長い時間をかけて心身をむしばんでいくことでつくられていきます。

こういった不調を根本的に治すためには、即効性のある方法ばかりにとらわれずに、日々の生活の中で、”少しづつ”習慣を見直していくことが大切です。

自律神経を整えて健康的な毎日を過ごすために、必要な知識をつけておきましょう。


現代人の自律神経が乱れやすい理由

自律神経の乱れは、さまざまな原因によって起こりますが、とくに「現代人の生活習慣」が直接的な理由として推測されています。

現代人の自律神経が乱れやすい理由には、以下のようなものがあります。

〈現代人の自律神経が乱れやすい理由〉

  • 人間関係や経済的な問題などの過剰な精神的ストレス
  • 公害や食品添加物などの化学物質によるストレス
  • 食生活の悪化(ストレスに弱い体質になる)
  • 電灯の普及によって夜昼の区別が弱くなったこと(睡眠時間の不適切)
  • エアコンの普及による季節感の希薄

外的・内的問わず、自律神経失調症は『ストレス』からもたらされることが分かっています。

そして”ストレス”の中にも、精神的な悩みや、外的ストレス以外に、「朝目覚めて夜眠る」「夏は暖かく冬は寒い」といった”体内時計の乱れ”から生まれるストレスもあります。

文明の発達によって苦痛と労力から開放されている我々ですが、その代わりにたくさんのストレスを受ける生活を強いられていることに気づくことが大切です。

自律神経を落ち着かせる・安定させる方法5選

いわば現代人は「何も工夫をしなければ自然に自律神経が乱れてしまう」という環境にいるともいえます。現在、自律神経の乱れを発症していなくても、その原因は潜伏しているとも考えられるのです。

ですから現代人は、常に自律神経や精神状態を意識し、日頃から正常に整えることが大切です。

1.リラックスできる時間を意識的に確保する

「頑張りすぎる人」や「完璧主義な人」は自律神経が興奮状態になりがちだといわれます。

こういった性格の持ち主は”リラックスする”ということをそっちのけにしてしまいがちだからです。

どんな強い人にも休息時間は必要で、休んでいる間には脳と筋肉の両方をリラックスさせることが重要です。

頑張る人ほど一日の時間をフルに活用しようとしますが、これが自律神経のバランスを崩してしまう大きな原因になると考えられます。

自律神経を落ち着かせて安定させるために、毎日少しの時間でもいいので「リラックスタイム」を確保することが大切です。

2.冷えを予防する

自律神経が不安定になると、精神状態は緊張や不安・興奮といったものに支配され、そして全身の筋肉は硬直します。

これには逆のパターンもあり、体が緊張することでその影響が脳中枢にフィードバックし、精神状態を緊張させることにもなるのです。

そしてこれらがループ状態になってつらい悪循環を作ってしまうのが、自律神経失調症の怖いところです。

人は体が冷えていると、筋肉を硬直させて熱を作ろうとする性質がありますが、この硬直もまた交感神経を強く刺激し、自律神経のバランスを失わせる原因となります。

「冷え」によって自律神経が乱れるケースは意外に多いので、冷え予防は常に念頭においておく必要があるでしょう。

体を冷やさないことはもちろん、「運動不足」もまた筋肉量を減らして熱を産生できない体質にしてしまうので、注意が必要です。

3.必要な栄養を摂る

必要栄養素が足りないことで体調が悪くなり、徐々に自律神経のバランスが不安定になることがあります。

また、人間に本来備わっている「ストレス耐性」の多くは、脳内の「セロトニン」や「ギャバ」といった神経伝達物質の働きによるものです。

これらの神経伝達物質の量が不足することで、ストレスに弱く感情が不安定な状態になり、自律神経に大きな負担を与えることになります。

これらの脳内物質は、トリプトファンなどのアミノ酸によって作られ、そしてビタミンやミネラル・ポリフェノールなどの食事から摂取する栄養素によって支えられています。

自律神経が乱れがちな人の多くに食生活の乱れが見られるという報告もあり、「食と精神状態」「食と自律神経」の関係は密接なものであることがわかっています。

そのため、自律神経の調整や気分の安定に効果的な栄養素を意識して摂取することが大切です。

4.入浴で心身の緊張を解消する

自律神経が乱れがちな人は、忙しく生活することが多く、入浴に時間をかけなかったり、浴槽に浸からずにシャワーだけで済ませてしまうことも多いようです。

しかし、浴槽でしっかりと入浴することには、自律神経を安定させる効果がいくつも備わっているのです。

入浴で得られる第一の効果は「温熱効果」です。これは先ほども解説をした「冷え予防」に繋がります。

次に有効なのが「水圧によるマッサージ効果」です。自律神経失調症の人は全身の筋肉が硬直しているので、それを適度に揉むほぐす効果が入浴にはあります。

そして最後の効果が「浮力によるリラックス効果」です。お湯に全身をあずけると、浮力によって重力が半分になります。その半減した重力のぶんだけ、体と神経は開放されてリラックス状態を導くことができます。

5.良質な睡眠をとる

”良質な睡眠”を心がけることは、健康な体を維持するための基本です。

とくに自律神経は睡眠と関わりが深く、仮に1日徹夜をするだけでも大きくバランスを乱すことになり、修復までに数日の時間が必要になるといいます。

自律神経をつかさどっている脳内の神経伝達物質は、睡眠中に産生されたり修復されたりします。神経伝達物質と自律神経が正常に働くことで、体内時計のリズムが整い、生体活動がまともに実行されています。

自律神経が落ち着かず不安定な方の多くに睡眠障害が見られ、それを改善することこそが不調改善の基本になると考えられます。

良質な睡眠をとることで、バランスを失ってしまった自律神経を調整することにも繋がるのです。

 

自律神経は全身に張り巡らされ、そして人の活動力のすべてに関係しています。数値には表せないレベルで全身の生体器官と相互関係を持っているので、一度悪くなってしまうと治すことが難しくなるようです。

さらなる不調を招く前に、早めに対処することをおすすめします。


〈まとめ〉

  • 文明社会の環境の中に自律神経失調症の原因がたくさん存在する
  • 自律神経を整えるには「リラックス時間を確保すること」「冷えを予防する」「必要な栄養素をとる」「入浴によって体の緊張をとる」「良質な睡眠をとる」ことが効果的


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