自律神経失調症が【甘え】だと思っている方に読んでほしいページ
自律神経失調症は、病院を受診しても検査結果に異常が見られないため、周囲の人の理解が得られにくい症状です。
中には「甘えている」と勘違いする人も多いため、こういったことが自律神経失調症患者をさらに追い詰めてしまうこともあります。
また、患者自身も周囲の人と同じように捉えていることもあり、それが治療時期を遅らせる原因にもなってしまいます。
自律神経失調症の本質と、決して「甘え」によって起きる症状ではないことを、このページで理解していただければと思います。
自律神経失調症は理解されにくい症状
自律神経失調症は非常に理解されにくい病気の一つで、医療の専門家でさえ曖昧な答えしか出せないこともあります。
「自律神経失調症」の”症”という表示に、この本質が隠れています。
通常、原因の解明されているものには、「○○病」と名付けられますが、最後に”症”や”症候群”と名付けられるものは医療の観点ではハッキリと解明されていないという意味もあります。
医療の専門家でさえこういった感じなので、一般の人に理解されないのも当然といえば当然です。
そして、自律神経失調症が次のような症状の集まりであることから理解されにくい性質があります。
- 頭痛・頭が重い
- 体温がおかしい
- 発汗する
- 腹が時々痛くなる
- 眠りにくくなる
- 具合(気持ち)悪い
- 体が疲れやすい
上記のように、どれも「致命的」ではなく、比較的軽度で不確かな不快症状が延々と続くような現れ方をします。
これらは不定期で慢性的に起こりますから、本人にとってはかなりつらい状態になりますが、周囲の人からはたんに「甘え」と取られてしまいがちな症状なのです。
自律神経失調症は甘えではなく、必ず原因がある
先述したように、自律神経失調症の原因は決して「甘え」ではありません。精神的にも肉体的にも”明らかな原因”が隠れています。
肉体的な原因として考えられるのは、「生活習慣の乱れ」「栄養バランスの悪さ」「睡眠の質の低下」「過労」などが考えられます。
そして、精神的な原因は「物事の捉え方」「ストレス」が挙げられます。
精神的な原因であっても、たんに”弱い”とか”甘え”ではなく、自分自身を追い詰めてしまう性格や、人間関係での摩擦、コミュニケーション不足など、逃げ道のないトンネルをさまようことで起きるストレスの蓄積が、身体的な症状を引き起こしているのです。
もし、自律神経失調症でお困りの人の中で「甘えが原因なのでは?」と思っている人は、すぐにその考えを捨てて本当の原因を探すことを始めなくてはなりません。
参考:症状の特徴や原因
自律神経失調症患者は症状をどう捉え、改善していくべきなのか
自律神経失調症は、病院にかかってもなかなか治りにくいものですが、それは薬だけに頼りすぎているからかもしれません。
自律神経失調症を根本から改善するためには、まずは原因を見つけ出し、適切な改善方法を実践する心構えが必要です。
現在、自律神経失調症の原因として有力なのが以下のようなものです。
- ストレスの蓄積
- 食生活の悪さ
- 過労
- 「完璧主義」「神経質」などの性格の問題
- 睡眠状態の悪さ
- 運動不足
- 更年期障害(ホルモンバランスの乱れ、分泌低下)
これらの中から当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
自律神経失調症などの精神疾患は、放っておくことで悪化しやすい傾向にありますので、できるだけ早い段階で何らかの対策を講じることをおすすめします。
最新の精神医療の研究では、自律神経失調症やうつ病、不安障害などの精神疾患には、「甘え」などではなく、脳機能や神経が関係した原因であることが解明されています。
自律神経失調症などは、「甘え」どころか、逆に「頑張りすぎ」によって発症することの方が圧倒的に多いということを知っておきましょう。
〈まとめ〉
- 自律神経失調症は周囲にも本人にも理解されにくい症状
- 自律神経失調症には必ず「原因」がある
- 自律神経失調症は比較的軽度で不確かな症状が慢性的に起きるのが特徴
- 自律神経失調症は原因を追求していくことが改善につながる