こんな症状に要注意。自律神経失調症の前兆、なりやすい環境とは

自律神経失調症は全体的にあいまいな症状ということもあり、「自分がかかっているのかどうか」の判断が難しいところがあります。

また、ひとたび自律神経失調症になると、治療が難しくなかなか治りにくいという特徴もあります。

ですから、できれば症状が現れる前や、まだ軽度なうちに自覚するのがベストだといえるでしょう。

そのためには自律神経失調症の前兆(兆候)をよく知っておくことが大事ですね。

このページでは、自律神経失調症の前兆となる症状や、起きやすい時期、予防に必要な考え方などをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

自律神経失調症の前兆(兆候)になりやすい症状、体の異変

自律神経失調症は、体と心の両方を巻き込んでおきる症状です。

ごく軽度な兆候が多いですが、注意していれば気づくことも不可能ではありません。

いつもとは違う、次のような変化がないかチェックしてみましょう。

〈自律神経失調症の前兆になりやすい変化〉

【体の変化】

  • 睡眠が浅く熟睡できない日が続く、眠れない
  • 冷え性になったような気がする
  • 肩や首が凝る
  • 便秘(下痢)が続いている
  • 食欲がない、食べてもなかなか満腹にならない
  • 食事の量が変わらないのに体重が増加していく
  • 肌が荒れている
  • 疲れやすい
  • 体が重い、だるい日が続いている
  • 視界が暗くなったような気がする、ぼやける
  • 風邪をひきやすい
  • 骨が弱くなったような気がする
  • 光がまぶしく感じる

【精神的な変化】

  • 理由もないのにイライラする
  • 意味もなく不安や恐怖にかられることがある
  • 焦っている、落ち着かない
  • 物音に敏感になる、過剰に反応する
  • 何に対しても集中できない
  • じっとしていられない
  • 同じことを何回も繰り返し考えてしまう
  • 記憶があいまいになることがある、忘れっぽい

体の機能を活動状態にする「交感神経」は、人間が窮地に陥ったときにピークに達します。自律神経失調症は、この交感神経のピーク時の状態に近づいている状態です。

上にあげた肉体的な症状・精神的な症状もまた、「ふだんの生体機能を後回しにし、緊急事態に備える」ための準備を、心と体がしているために起こるものです。人が生命に関わるような危険な状況に接すると、食事をとったり、排便をしたり眠ったりしているヒマはありませんよね。

また、食事でとった栄養素を代謝して体内に取り入れるような生体活動も後回しになるのも当然です。全身の機能・センサー・筋肉の状態を「危機回避」のために集中する必要があるためです。

こういった交感神経の高い状態は、人類が備えたサバイバル能力ですが、これが現代のストレスによって不自然に長期間続くことで心身が壊れてしまうのが「自律神経失調症」だといえるでしょう。

自律神経失調症はどんなときになりやすい?

自律神経失調症は、次のようなときになりやすい症状です。

  • ストレスを多く抱えているとき
  • 身内、知人の死や大きすぎるショックなことが起きた後
  • 寝不足や昼夜逆転の生活など、生活リズムが乱れているとき
  • 食生活が乱れているとき
  • ホルモンバランスが乱れたとき(更年期障害・高齢・思春期など)
  • 大きな病気になったとき

 

大きく分ければ、ストレスなどによって心に抱えきれない負担を持ち続けるケースと、生活習慣が悪化するケースです。

自律神経失調症は精神的な症状のみが原因と捉えられがちですが、じつは睡眠の質が低かったり、必要な栄養素が摂れていないことで発症することもあります。

とくに現代人の食環境には問題が多いという指摘も多くあります。

古くから食べられてきた食品の中には、精神的なストレスによる不調をリカバリーしてくれるようなものがたくさんありますが、食の欧米化や農作物の品質の低下、またレトルト食品やインスタント食品の普及によって必要な栄養素が不足しているのです。

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性格や考え方も関係している

自律神経失調症の引き金の多くは「ストレス」によるものです。ですから、その人の「性格」または「考え方」も深く関係します。

几帳面で真面目すぎる人や、責任感の強すぎる人、もちろん悲観的な考えをする人に自律神経失調症の患者が多くみられるようです。

会社の中などで、きっちりと仕事をこなして精神力がいかにも強そうな人が、ある日突然自律神経失調症になったり、さらに悪化してうつ病やパニック障害になって休職、退職をすることがよくあります。

一緒に働いていた人は「まさか、あんなに強かった人が・・・」と驚きますが、自分を追い込んで責任を果たそうとするその姿勢が、自律神経失調症を呼び込んでしまうことがあるのは皮肉なことです。

「~しなけらばならない」「~をしては絶対にダメだ」という強い信念が、自らの心と体のバランスを破壊してしまうこともあるということですね。

こうした考え方の偏りを修正していくとともに、積極的なストレスケアをしていくことが大切です。誰でも簡単に取り入れられて効果の高い方法には『ハーブティー』があります。

ハーブティーの効果や自律神経失調症との相性については、以下の記事にくわしくまとめていますので、興味のある方はご覧ください。

自律神経失調症の改善にハーブティーが効果的な理由とおすすめ商品

兆候に気づいた瞬間から対処することが大切

自律神経失調症は、音もなく近づくサイレントキラーの性質を持っています。ですから、明らかに症状を自覚できるようなレベルでは、かなり悪化している場合があるのです。

こういった兆候の分かりにくい病気の多くはかかってしまうと治療が困難な場合が多いので、不調を感じた瞬間から対処することが大切です。

「何だこれくらいのこと」と、精神力だけで乗り越えようとすると、自分の精神の限界を超えてしまう危険性があるので、忙しい人はとくに注意を怠ってはいけません。

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強いストレスの中で生きる、金融商社や、米国のウォール街などで活躍しているビジネスマンは、タフでバイタリティーがあり生命力にあふれているように見えますが、じつは心身に不調をきたし、カウンセリングに通う人が多いのです。

また反対に、仕事をしていない専業主婦でも油断は禁物です。

小さなストレスでも発散することなく蓄積していけば、いつかは抱えきれない大きなストレスに膨れ上がります。

先進国で暮らす現代人は、老若男女すべての人が自律神経失調症の種を持っているということを自覚しておく必要があるのではないでしょうか。

自律神経失調症は「ストレス」によって起こりやすくなり、また自律神経失調症になってしまったことで、「新たなストレスを自発する」という厄介な性質があります。ようするに「悪循環」ができあがるのです。

潜伏期間は長くても、一定ラインを超えると雪だるま式に症状が増えていく怖さがありますので、より早い対処を心がけましょう。

自律神経失調症が治らないと思ったら試してみてほしいこと

 

自律神経は、人の体のあらゆる部位につながり大切な役割をになっている器官です。

自律神経失調症自体は致命的な症状ではありませんが、長く放置をすると本格的な病気を引き起こす原因になります。

このことを十分に理解し、早期発見、早期改善を心がけなくてはなりませんね。

自律神経失調症の悪化を防ぐために身につけたい習慣5選

〈まとめ〉

  • 自律神経失調症には「肉体的前兆」と「精神的前兆」がある
  • 自律神経失調症は交感神経の高まりが持続することで起きる
  • 「ストレスが多い」と「ホルモンバランス崩れる」「生活習慣が乱れる」ときにかかりやすい
  • 自律神経失調症の原因には「性格」や「考え方」も関係している
  • 自律神経失調症は異変に気づいたら早急に対処することが大切


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