デスクワークが自律神経失調症になりやすい理由。今日からできる予防・改善法

事務仕事やパソコンを扱う仕事など、デスクワークをされている方は多いかと思います。

一見、長時間座っているため疲れにくいようにも思えるのですが、実は体を動かす仕事よりもデスクワークのほうが疲労が蓄積しやすく、発散しにくいのです。

デスクワークによるダメージは蓄積していき、少しずつ自律神経のバランスを狂わせます。

ここでは、デスクワークと自律神経失調症の関係や、今日からできる予防・改善方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

デスクワークが自律神経失調症になりやすい理由

デスクワークが自律神経失調症になりやすい理由はいくつか考えられますが、中でも「動かないこと」は大きな要因になっていると考えられます。

とくにパソコン作業は、小さな画面の中ですべてを完結することができるため、極端に運動量は低下します。脳と体には密接なつながりがあり、全身が連動して動いていなければ、自律神経の健康を維持することは難しいのです。

 

また、“姿勢の悪さ”も原因となります。「構造的ストレス」といって、「骨盤」や「背骨」に歪みが発生することで自律神経に悪影響を与えてしまいます。

骨盤や背骨の歪みが不調の原因になっている場合もある

「姿勢」と「休憩」を意識することがリスク軽減につながる

たとえば、デスクワークをすると多くの方が”猫背”になりますよね。この猫背の姿勢は一見力が入らずに楽な感じがしますが、背中の筋肉と筋は強く張りつめた状態が続きます。

この筋肉の緊張状態が自律神経を刺激して固着させてしますし、内蔵を圧迫することで生理機能を大幅に低下させる要因ともなります。

時代劇で侍が本を読むときに、妙に背筋を伸ばして姿勢を正していますが、じつはあれが背中や内蔵に対しては「一番ラクな姿勢」だといわれています。

また、デスクワークは「休息不足」になりがちです。

デスクワークで作業に没頭していると、つい休息するのを忘れ、気が付けばほとんど席を立たたないまま仕事を終えてしまうこともあるでしょう。こういった休息不足が、知らず知らずのうちに過労状態を作りだしてしまうのです。

ですから、デスクワークによる自律神経失調症を予防するためには、「姿勢」と「休憩」を意識することが大切です。

デスクの高さや作業台(パソコンなど)の位置を適切に調整し、猫背にならないように注意しなくてはなりません。

米国のIT企業では、パソコン操作をする部署の従業員に対して「1時間作業したら5~10分休憩」というものを義務付ける会社もあるそうです。それによって健康を維持できるばかりでなく、集中力が高まり生産性までアップするのです。

今日からできる予防・改善法

デスクワークによって起きる自律神経失調症を予防したり改善することは、今日からでも簡単に実践できます。以下の3つの方法を参考にしてみてください。

①正しい姿勢を意識して行う

デスクワークによる障害の最も大きなものが「姿勢の悪さ」ですので、まずはそれを矯正しましょう。

とくに意識をする場所は「胸」と「首」です。

胸が奥に引っ込んだ状態は、反対に背中の筋肉が張って緊張します。少し「胸を張る」くらいが背中に緊張を与えない姿勢です。

背中の張りがなくなると、肩の可動域も広がり負担を減らすことができるので、肩こりの改善にもつながります。

また、近年問題になっている「首こり」ですが、顔が体の中心から前にせり出してしまうことで起こることもわかっています。仕事に集中すると、どうしても顔を書類やパソコンに近づけてしまいますが、体の正中線の上に顔の重心がくるように、顎を引いて姿勢を正しましょう。

脚を組んで座るクセのある人も、体をねじって多くの箇所に緊張を及ぼしますので注意したほうがいいですね。

②定期的に休憩をとる

自律神経失調症は「体を動かさない状態が続きすぎる」ことで起こりますから、デスクワークの合間を見て「ストレッチ」や「歩行」などを取り入れましょう。

動かないことによって血行が悪くなると、筋肉に酸素が運ばれなかったり、疲労物質を回収できなくなることで全身が凝り固まってしまい、自律神経に悪影響が及びます。

ストレッチは背伸びをしたり、全身や首を逆反りさせるなどの簡単なものでも十分に効果があります。

また、歩行することは全身の筋肉と自律神経を緩めてくれる効果的な方法です。最低でも1時間に一回は席を立ち、体をほぐす時間を作りましょう。とくに時間のある昼休憩には積極的に歩行して全身の滞りをリセットすると良いでしょう。

③ブルーライト対策をする

近年のオフィスワークの主体はパソコン作業になっていることが多いはずです。

パソコンは指先以外はほとんど動かさないために極度の運動不足になりますが、もう一つ「ブルーライト」による被害も軽視できないものです。

ブルーライトには異常な興奮脳波が出現し、それが自律神経の交感神経を不適切に刺激することがわかっています。ブルーライトによる目の健康被害が大きく報道されていますが、自律神経へ与える悪影響があまり取り上げられないことが残念です。

パソコン・スマホのやりすぎは自律神経に悪影響を及ぼす│その理由と対策は…

このブルーライトによる被害を予防するために、たくさんの対策グッズが販売されています。

パソコンディスプレイに貼り付けるタイプの「シールドフィルム」や「パソコングラス(メガネ)」などは、今や家電量販店やネット販売で簡単に手に入れることができます。

また、あまり画面に顔を近づけないことも大切なことです。

文字のフォントを大きくするなどの工夫をして、できるだけディスプレイから離れた距離で作業するように心がけましょう。

 

デスクワークによる自律神経失調症の発症を防ぐためには、今回ご紹介したような細かな工夫が効果を発揮します。

心当たりのある方は、今日からでもすぐに対処をはじめましょう。

〈まとめ〉

  • デスクワークは「動かないこと」で自律神経失調症になりやすい
  • デスクワークは「姿勢が悪くなること」で自律神経失調症になりやすい
  • 自律神経失調症の予防・改善には、「正しい姿勢」「定期的なストレッチ・歩行」「ブルーライト対策」が効果的


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