腰痛や背中の痛みは自律神経失調症が原因?対処法や改善方法は?
自律神経失調症は、精神的・気分的な障害を引き起こすだけでなく「腰痛」や「背中の痛み」など、肉体的な症状として現れることもあります。
一見つながりのないように思われる症状ですが、ストレスや生活習慣全体が関わることでこのような症状が引き起こされるケースもあるようです。
ここでは、自律神経の問題によって引き起こされる腰痛や背中の痛みの原因や対処法をまとめてみました。
腰痛や背中の痛みはなぜ起こるのか
腰痛や背中の痛みというと、「骨」や「腱」に障害があるのではないか?と連想しがちですよね。たしかにヘルニアなど神経に問題があったり、骨そのものが変形をして痛みが現れることもあります。
骨そのものの構造的な原因ならばレントゲンで調べればかんたんに原因がわかりますが、実は「理由のわからない腰痛」もかなりあるそうです。
ここ最近注目されているのが「自律神経と腰痛」の関係です。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」によって成り立っていますが、ストレスや生活習慣が崩れることで自律神経失調症になると、交感神経が優位に働きすぎてしまいます。
交感神経は「活動」、副交感神経は「休息」をもたらしますので、自律神経失調症になってしまうと、腰や背中などの全身を支えるもっとも大事な筋肉が休むことができずに疲労します。疲労した筋肉は硬直して血流も悪くなるので、さらに疲労物質を回収できずに悪循環が起きてしまいます。
柔軟性を失った筋肉が血管と痛みを伝える神経を引っ張って刺激することで、腰痛や背中の痛みが起きてしまうと考えられています。
腰や背中が痛いときの対処法・注意点
自律神経失調症による腰痛や背中の痛みは、骨や関節が原因のものとは違い、疲労が溜まることで起きています。
その痛みは筋肉の硬直によってもたらされ、痛みを感じることによってさらに硬直してしまいます。ですから、一般的には「根本治療にならない」といわれる、痛み止め薬や湿布薬なども悪循環を断つ目的としては有効だと考えられます。
まず、一度も腰痛や背中の痛みで病院に診てもらったことがない人は専門医を受診し、骨や腱・神経に異常がなければ、まず痛み止めで様子をみるもの一つの手です。
ただ、このときに気をつけなえればならないことは、「体を冷やさないようにすること」です。
体が一定温度以上にならないと、筋肉は柔軟性を失いますし、血流も悪化してさらに筋肉は硬くなってしまいます。
厚着をしたり、冷房に直接当たらないようにするなどの工夫をし、痛みのある幹部を刺激しないようにしましょう。
改善に向けた3つの行動
自律神経失調症から起こる腰痛や背中の痛みは、骨や腱に原因がある場合とは治療法が異なります。
固まった筋肉群に柔軟性を取り戻すことに集中することで、少しずつ症状が改善されていくでしょう。
- ストレッチ(必ず痛みが治まってから行うこと)
- 入浴(体の芯まで温めるために半身浴が効果的)
- ストレスを軽減させる工夫をする
1)の「ストレッチ」は、固まった筋肉をほぐすのに効果的です。ただ、痛みがある場合には悪化させる可能性があるので、痛みが治まってから行うようにしましょう。
2)の「入浴」は、前項で書いたように体を温めることによって血流を向上させてこわばりをほぐす効果があります。体の芯が温まるまでしっかりと湯船につかるようにしましょう。
3)自律神経失調症の多くが「ストレス」によってもたらされますので、毎日受けるストレスが溜まっていかないように工夫をしましょう。
おわりに
古くから腰痛はや背中の痛みで苦しむ人が多かったのですが、かなり医学が発達した現在までも原因があいまいだったと言われています。
「病院で腰痛は治らない」と、東洋医学の鍼灸院などを頼る人も多かったのが事実ですし(鍼灸、整体は自律神経失調症に有効?改善が期待できる症状は?)、それほど腰痛や背中の痛みは複雑なメカニズムをもっていたと考えられます。
「自律神経と腰痛」「ストレスと腰痛」の考え方を知り、治らなかった痛みの改善を始めてみましょう。
この記事のまとめ
- 自律神経失調症により筋肉が硬直して「腰痛」「背中の痛み」が発生する
- 痛みが出たときは悪循環を止めるために痛み止めで対処する
- 「ストレッチ」「入浴」「ストレスの軽減」で自律神経失調症を改善するのが根本解決になる