自律神経失調症の改善のために瞑想が役立つ5つの理由。メリット・効果・やり方まとめ

最近になってどんどん注目度が高まっている「瞑想」。その効果や具体的なやり方をくわしく解説した書籍もよく見かけるようになりました。

瞑想の効果は単に“リラックスできること”だけではなく、心身のパフォーマンスを高めることも期待できることから、世界で活躍するスポーツ選手やいわゆる「成功者」と呼ばれる人も積極的に取り入れている方法です。

「瞑想」はもはやスピリチュアル的なものではなく、「エクササイズ」「ケア」といった現実的なもので、脳生理学の研究によってもその効果が証明されつつあります。

瞑想とともに行いたいこと

心身のバランスを大きく狂わせる「自律神経失調症」の改善にも瞑想はとても効果的です。

私自身、瞑想のすばらしさを知ってから毎日意識して取り入れるようにしています。正直なところ最初は半信半疑の状態で取り組んでいましたが、実際に続けてみると瞑想による効果は予想を上回るものでした。今ではやらなかった日に罪悪感を覚えるほど、毎日の欠かせない習慣となっています。

瞑想とともに他のリラックス法も実践することでさらなる効果が期待できるでしょう。

ここでは、自律神経失調症改善に瞑想を取り入れる理由やメリット、実際の効果などをわかりやすくまとめてみます。よろしければ参考にしてみてください。

自律神経失調症に瞑想が効果的な5つの理由

「瞑想が心身にどういった影響を与えるのか?」そして「自律神経失調症にどういう効果を示すのか」を、5つに分けて解説します。

①リラックス状態を作り出せる

自律神経は「人が意識しなくても自動的に働く神経」であり、人の考えでコントロールできないものです。

たとえば心臓などは、動かそうとも止めようともできません。心臓は”自動的”に適切な行動を打つのです。しかしそれには例外があり、「呼吸」だけは人の意識によって抑制することができます。

正しい瞑想では、ただ目を瞑るというわけではなく「呼吸法」を同時に行います。ゆったりとした深い呼吸をすることが瞑想の基本でもあるのです。

この瞑想時に行う深い呼吸のしかたは、肺の神経を伝達し、自律神経の「副交感神経」を活性化します。この「副交感神経の活性化」がリラックス状態を誘引することになります。

自律神経失調症は、興奮系の交感神経が優位になったまま、副交感神経になかなか切り替わらなくなる症状です。瞑想の呼吸法による”半強制的な副交感神経の活性化”によって、症状の改善に役立てることができます。

②ストレスホルモンを軽減できる

自律神経失調症は「ストレスの蓄積」が大きな原因になっていると考えられています。

人がストレスを感じると、「コルチゾール」と言われるストレスホルモンが分泌されストレスに対抗しようとします。このストレスホルモンの過剰な分泌が、精神に緊張と不安をもたらす正体です。

瞑想をすると、このコルチゾールの分泌が減少することが実験で明らかになっています。コルチゾールの過剰分泌が、交感神経を活発にすることで自律神経失調症を悪化させますので、瞑想によるストレスホルモン軽減作用は非常にメリットが高いといえます。

③不安や憂鬱が解消される

強いストレスを受け続けるとき、脳内では「ノルアドレナリン」という神経伝達物質が分泌されます。ノルアドレナリンは興奮系の自律神経である、交感神経と連動しています。

自律神経失調症になった人が突然理由もないのに不安に陥ったり憂鬱な気分になってしまうときにも、脳内ではノルアドレナリンが不適切に分泌されていると考えられています。

瞑想をして呼吸法を実践すると、脳内で「セロトニン」という脳内ホルモンが作られて分泌されます。このセロトニンは、ノルアドレナリンをはじめ、ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質を適切な量に調整する作用があるのです。

数分、数十分と瞑想を続けていると、スーッと不安が消えて憂鬱だった気分も晴れていくことが実感できるでしょう。

④不眠の解消につながる

前項で書いた「セロトニン」は、感情をつかさどっている神経伝達物質のいくつかを調整します。

「不眠症」は就寝時にリラックスできずに脳や体が緊張・興奮した状態になりますが、このときに「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」といった興奮を促す神経伝達物質が多量に分泌されています。

瞑想によってセロトニンが分泌されるとノルアドレナリンやドーパミンの活動が制御され、脳がリラックスすることで不眠の改善が期待できます。

また、人が就寝時などに感じる「眠気」は、「メラトニン」という脳内ホルモンの分泌によって起こります。このメラトニンは、セロトニンが原料となって作り出されることから、「セロトニンの活性化によってメラトニンの量が増える」ということになります。

反対に脳内でセロトニンが不足すると、夜になってもなかなか眠たくなりません。これが慢性化した状態が「不眠症」です。

セロトニンは“眠り”に関してだけでなく“精神の安定”にも重要な役割を持っていますので、分泌に役立つ生活習慣を身につけるように意識したいところです。

⑤思考が前向きになる

ここまで何度も書いていますが、人の感情は「神経伝達物質」のはたらきによって起こります。

「神経伝達物質」を大まかに分類すると次のようになります。

  • ノルアドレナリン・・・不安、緊張
  • ドーパミン   ・・・楽しさ、快感
  • セロトニン   ・・・平常心、安らぎ

 

自律神経失調症になってノルアドレナリン優位な状態になり「不安」「緊張」といった精神状態が続いていると、何事にも消極的になってしまいます。

この状態では新しいことを始められるような精神状態ではありませんし、過去のことを引きずったり、自信を失くしたり、といった後ろ向きの考えばかりが浮かんでしまうものです。

瞑想によってセロトニンが脳内に満たされると、過剰に分泌されたノルアドレナリンを調整することで、自然に考えも前向きに変わっていくようになります。

瞑想は“気持ちよく行うこと”が大切

”瞑想”ときくと「お寺の厳しい座禅」のようなものを連想しがちですが、日本のお寺でいう座禅は「修行」という要素が強く、何時間も瞑想を続けたり、棒で打たれたりする過酷なものです。

しかし、自律神経失調症を改善するための瞑想はもっと気軽なもので、あまり形式張る必要もありません。まずは無理なく短い時間からはじめ、「心地よい」と感じる時間だけ行うようにしましょう。

慣れてくれば「座れば座るほど心地よい」という状態になり、自分から瞑想を欲するようになりますので、そうなるまでは無理をしないことが大切です。

逆に”頑張って”瞑想をしても思ったような効果が得られないばかりか反対に”ストレスの元”になることもありますので注意しましょう。

もっとも簡単に行える瞑想の方法

瞑想のやり方にはいくつか種類がありますが、今日からすぐにできる瞑想の方法をご紹介します。

  1. まず、楽な姿勢で床やイスに座ります(必ずしも座禅を組む必要はない)
  2. 目を閉じ、できるだけ何も考えないようにしましょう(呼吸だけに意識を向けることで雑念が消えやすくなります)
  3. 呼吸は、吸うときの倍の時間をかけて吐くことが理想です(秒数にはあまりこだわらず、吐く時間をなるべく多くするイメージで)
  4. これを5分~10分行います

 

以上が、簡単な瞑想方法です。1日1回だけでも良いですが、朝と晩の2回行うとさらに高い効果が期待できます。毎日行うメンタルケア方法として、ぜひ実践してみてください。

もっと知識を深めたい、ほかのやり方も知りたいという方は、関連する書籍を1冊手に入れておくと良いでしょう。私が読んでみて非常に役立ったのは以下の2冊です。

よろしければ読んでみてくださいね。

〈まとめポイント〉

  • 瞑想は自律神経失調症の改善効果が高い
  • リラックス状態を作り出せる
  • ストレスホルモンを軽減できる
  • 不眠の解消になる
  • 思考が前向きになる
  • 瞑想は短い時間から無理なくはじめるようにする


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