妊娠中や産後のストレスによって自律神経失調症になるケース~原因と対策~
自律神経失調症は、ストレスをたくさん受ける会社員などが多く発症しますが、妊娠中や産後の女性がかかってしまうこともよくあります。
妊娠出産は女性の人生にとって非常に大切な時期ですが、デリケートになりやすく、心と体のバランスが崩れやすいという特徴をもっています。
妊娠出産の時期にはさまざまな不調が現れやすいものですが、たいていは時間が解決してくれるものです。
しかし自律神経失調だけは決して軽視できない症状であり、重症化するとうつ病などにも進行する可能性があります。
このページでは、妊娠や産後のストレスによって自律神経失調症になる原因や対策などをまとめてみましたので、参考にしてみてください。
また、こういった女性特有の不調を解消する方法に関しては以下の記事も合わせてご覧ください。
この記事の目次
妊娠・産後の自律神経失調症は「ホルモンバランスの変化」が最大要因
女性が妊娠をして出産するときには、体内で性ホルモンが激しく変化します。
女性は「女性ホルモン」を多く分泌し、それによって心と体に影響を与えています。
女性ホルモンには2種類あり、通常は「卵胞ホルモン(エストロゲン)」が分泌され、妊娠をすると「黄体ホルモン(プロゲステロン)」がそれに替わり、産後はまた元に戻るというような変化をします。
性ホルモンは脳の「視床下部」というところから分泌され、この部分は自律神経の末端でもありますので、性ホルモンの変化があれば自律神経にまで大きな影響を与え、病的な症状を表しやすいのです。
妊娠・産後のストレスがかかり過ぎると自律神経失調症に・・
妊娠や出産は多くの女性が経験することですが、そのすべてが自律神経失調症になるわけではありません。
自律神経失調症になりやすい女性には特徴があります。
- 几帳面で責任感の強い人
- 神経質な人
- マイナス思考をしやすい人
- 感情の起伏が激しい人
- 依存心の強い人
など、自律神経失調症になりやすい人の特徴がそのまま当てはまります。
妊娠出産という一大事が「きっかけ」となり、精神的な許容量を超えてしまうことで自律神経失調症を発症するのです。
妊娠と産後の自律神経失調症対策
自律神経失調症は、妊娠中よりもむしろ産後に多く発症するといわれています。
将来の不安や夫との関係、出産による体力低下など心身ともに辛い状態で、ストレスもより多くかかってくることが理由です。
「産後うつ」という言葉を最近よく聞きますが、まさにこれも自律神経失調症がもたらした症状の一つでいえます。
この時期の自律神経失調症は「認知」「考え方」などを矯正する方法も大切ですが、摂取する栄養素の改善によって対策をとることも大切です。
「ホルモンバランスの変化」というはっきりとした”肉体的な”理由があるため、そこにメスをいれる必要があります。まずはホルモンバランスや自律神経を整えるような成分を取り入れましょう。
女性特有の不調に相性の良い「漢方素材」が含まれているサプリメントが特に人気です。
それに加え、精神を安定させるために”アミノ酸”を十分に摂取するようにしたいところです。
アミノ酸の中には「トリプトファン」、「グリシン」、「ギャバ」などの鎮静効果の高い成分もありますので、バランスよく摂取するようにします。
そして体力が低下している時期ですので、ビタミンB群をしっかり摂ることも大切です。
代謝を向上させ体力そのものが回復することでストレスに強い体質に変わるはずです。
後は生命維持と神経系統の健康維持に必須な「鉄分」「亜鉛」「カルシウム」などを適切に摂り入れることで、体全体の不調が軽減されるでしょう。
おわりに
ご紹介した自律神経失調症の対策に加えて、夫や家族の理解と協力も必要です。
妊娠・出産・育児は、女性の人生の中でもっとも大切な出来事だと言えます。
そして、この大切な時期に自律神経失調症などによって不運にみまわれることも少なくありません。
事前に正しい知識をつけ、いざというときのための対策を覚えておきましょう。
この記事のまとめ
- 妊娠・産後の自律神経失調症はホルモンバランスの変化が最大要因
- ストレスを抱えやすい性格の人が妊娠・産後に自律神経失調症になりやすい
- 妊娠・産後の自律神経失調症には食生活など肉体的なアプローチで対策するのが効果的