【ストレス・肩コリ解消に!】体や肩の力み・くいしばりをなくすことを心がけよう!
自律神経失調症は心と体の両方に障害の現れる疾患です。
精神的にはイライラしたり不安になったりと平常心を失いがちになり、肉体的には筋肉の緊張・硬直が現れます。
自律神経の治療をするときにはどちらかというと精神的な要因を解決することを優先しますが、肉体的な部分も決して軽視してはいけません。
この記事の目次
緊張しやすい人、力みやすい人は要注意
さまざまな精神的なストレスが自律神経失調症の原因とされていますが、「体や肩の力み」や「くいしばり」などの習慣やクセが自律神経のバランスを崩してしまうこともあります。
緊張して体が硬直しやすい人や、力が入りやすい人は要注意です。
自律神経失調症になってしまう仕組みや、緊張・力みとの関係性は以下のようなものです。
自律神経失調症は「限度オーバー」で起きる
ひとことで自律神経失調症といってもいくつかの原因が重なって起きることもあり、原因が一つに絞りきれないこともあります。
「ストレス」が原因であることは確かなのですが、そのストレスにもいくつかの種類があります。
精神的なストレス
人間関係や悩み事など、一般的に”ストレス”と認識されて呼ばれているもの
2.肉体的なもの
骨盤や顎関節、または骨の構造、姿勢などが正常でないことから受けるストレス
3.環境的なストレス
気温の変化(暑い・寒い・蒸し暑い・乾燥など)から感じる不快感
4.食生活
栄養の過不足や化学的な添加物、調味料による内蔵への負担
5.病気
病気による肉体への負担
自律神経失調症は交感神経が異常に活性化することで引き起こされますが、少々ストレスを受けたからと言ってすぐに発症するものではありません。
これらのいくつかの原因が重なって、限度をオーバーすると、正常なバランスを崩して元に戻りにくくなってしまうのです。
悪循環から自律神経失調症へ・・
精神的な悩みをうまく処理できずに抱え込んでいると、不快症状が現れ始めます。
具体的には、頭痛や便秘、冷え性や目の不調、体や肩の緊張、歯のくいしばり・・などの肉体的な不快感です。
そして、この肉体的な症状に辛さを感じることで精神的な負担(ストレス)が新たに生まれます。
心の悩み→不快症状→心への負担(ストレス)が増える→不快症状や力みの増大
というふうに悪循環ができあがるのです。
これらの負の連鎖を止めるには精神的なケアとともに、肉体的症状を緩和させていく必要があります。
「くいしばり」の怖さ
歯のかみ合わせの悪さや、くいしばるクセが多くの病気の原因になることが研究で明らかになっています。
くいしばるクセは、肉体的な病気だけでなく、精神疾患をも引き起こしてしまう可能性があると言われています。
上下の歯が触れ合う「噛んだ状態」は1日に15~20分ほどが理想とされています。
これ以上長時間上下の歯が接触していると「噛み過ぎ」」になり、顔の筋肉が緊張してしまうのです。
歯のくしいばりを「クレイチング」と言いますが、歯や顎の健康のみならず、自律神経失調症とも深い関わりがあることはあまり広くは知られていないようです。
顎周辺の筋肉が緊張することによって肩周りの筋肉が連動してこわばり、それがやがて全身の硬直に広がっていき、交感神経を優位にし続けてしまうのです。
クレイチングは無意識でしてしまい、日中の活動時間だけでなく、寝ているときにもくいしばっていることもあります。
多くは仕事に集中している時、怒りを感じている時、心が緊張している時にもくいしばりますが、単なるクセで延々とやってしまうこともあります。
改善するには普段からの意識が大切
体や肩の力みやくいしばりは”習慣化”してしまいます。
そしてそのクセが精神的なストレスと変貌しますので、普段から「肩が力んでいる」「くいしばっている」と気づいたらすぐにやめてリラックスすることが大切です。
忘れない方法としては、「リラックス」や「力抜く」などという言葉を紙に書き、壁や冷蔵庫などの目につきやすいところに張り付けておくことです。
全身に力みを感じたなら、ストレッチをして深呼吸する、歯をくいしばっていると気づいたときには天井を見上げて深呼吸するなどしてみましょう。
上顎の裏に舌を当てておくことを心がけるだけで歯の接触を防ぐこともできます。
こうして、ストレスが溜まり「限度オーバー」になることを防ぐことで、自律神経失調症の予防と改善につながります。
顎関節症も自律神経失調症の原因になる?
歯ぎしりや食いしばりが続くことで、顎関節症になるリスクも高まります。
この顎関節症も、自律神経失調症と深い関わりがあると言われています。
適切でない顎と歯のかみ合わせが、どういったふうに自律神経失調症と繋がるのでしょうか?
顎は脳の働きと直結する器官
顎は意外にも脳の働きと直結する器官として知られています。
よく、米国の大リーガーなどがガムを食べながら野球をしている姿を見ますが、あれも顎を動かすことによって体の硬直を取り去ってリラックスし、パフォーマンスをアップさせようという目的があるのです。
実際に顎をリズミカルに動かすことで、脳内には神経伝達物質「セロトニン」が分泌され、神経の興奮を沈静化させてくれるのです。
こういった大事な役割のある顎関節が、歯のかみ合わせや姿勢の悪さが原因で障害が現れると、脳にも悪影響を与えることがあります。
また、顎関節症によって頭部自体に緊張を帯びてしまうと、物理的なストレスを感じ続けることにもなります。
こういった外部からのストレスでも脳に異常がもたらされることがあります。
自律神経の始まりは脳の視床下部というところにありますから、脳自体が緊張すると自律神経も正常ではいられなくなるのです。
顎関節症から引き起こされる症状
顎関節は全身の骨格の要でもあります。
重量挙げなど多くのスポーツで使われるマウスピース型のプレートを口に挿れて噛みしめるだけで、よりる良い力を出すことができ、運動パフォーマンスが向上することからもそれは理解できるでしょう。
ですから、顎関節症になってしまうと姿勢や骨格がゆがみ、ひどくなると全身の血流や精神にまで異常をきたすようになるのです。
- 肩、クビのこり
- 頭痛など頭部の不快感
- めまいや耳鳴り
- 睡眠障害
- 自律神経失調症
- うつ病
顎関節症と自律神経は相関関係にある?
顎関節症から自律神経失調症になるケースもあればその逆のパターンもあると言われています。
自律神経失調症になると、体の中心部分にあるインナーマッスルである「起立筋群」が弱って姿勢が乱れることがあります。
これによって顎の関節にもズレが生じることで顎関節症になってしまうことがあります。ですから、「顎関節症と自律神経が相関関係にある」ともいえます。
どちらか片方の症状が出ることでもう片方が影響され悪循環を起こしてしまうと、どちらが本当の原因なのかが見当がつかなくなり対処が難しくなります。
病院の検査でも異常が現れない不快な症状が、歯のかみ合わせを治療しただけで良くなることも少なくないそうです。
また治療をしても何度も再発する顎関節症の隠れた原因が精神的なストレスや自律神経失調症だったということもあります。
後者の場合は非常に発見しずらく、悩みも長期化します。
自律神経失調症は人体のあらゆる場所に影響しますので、常に注意をしておく必要があるのです。
おわりに
くいしばりによる心体への悪影響が非常に甚大であることが最近の研究で明らかになり、肩こりや腰痛だけでなく内臓への悪影響があることも分かっています。
精神的なストレスに思い当たるところがないにも関わらず、情緒不安定であったり、検査に現れないさまざまな不快感、不調を感じるときには、歯のくいしばりのクセがないかセルフチェックしてみましょう。