仕事前の不安感・動悸は自律神経失調症のサイン?ストレスコントロールを身につけよう
自律神経失調症は、「早期発見・早期治療」が大切だといわれています。
なぜなら、自律神経失調症は「不安障害」「うつ病」「パニック障害」「引きこもり」といった治療の難しい状態へと悪化していく危険性があるからです。
しかし、忙しい毎日の中では、ごく小さな”自律神経失調症のサイン”は見逃しがちになります。
ここでは、いち早く自律神経の異常に気づき、早期に治療が始められるような情報をご紹介していきます。
仕事前の不安感、動悸の具体的な症状
現在会社に勤めている人が自律神経に異常が現れた場合、明確な症状のサインが現れやすいのは「仕事前」です。
学校に何らかのストレスを抱えている子が登校前にお腹が痛くなったり熱が出たりということも、一時的な自律神経失調症のサインと考えて良いでしょう。
思春期を超えるまでの子供は、まだ自律神経そのものが完成されていないために、こういったことがよく起こるといわれています。
大人でもストレスによって見えない部分が崩れ始めると、同じような状態になります。大人の場合は精神力やモラルの力で、これをある程度抑制することができますが、体のほうは正直に反応してしまいます。
仕事前に以下のような症状が頻繁に続くようであれば、それは自律神経失調症の予兆かもしれません。
- 朝起きられない・スッキリ目覚められない
- 起きたときに前日までの疲れが残っている
- 便秘ぎみ・お腹の調子が悪い
- 朝食を食べたくない・気持ちが悪い
- 前日夜に食べたものが残っている感じがする
- 胸焼けがする
- 通勤電車で周囲の臭いが気になる・気持ち悪くなる
- 会社が近づくにつれて不安になる
- 会社が近づくにつれて動悸が高まる
- 出勤時に気温が高くもないのに発汗する、ほてる
これらの症状は、他の原因からも起きることがあり、普段はあまり深刻に考えない類のものです。
しかし、これらはすべて「自律神経」が関係した症状であり、進行していくに従って当てはまるものが増えていくはずです。
とくに「不安」や「動悸」などは、自律神経失調症の代表的な症状ですので、注意して自分を観察しておくようにしましょう。
仕事前の不安感、動悸はなぜ起こる?
仕事前に起きる「不安感」や「動悸」は、自律神経の中の”交感神経”が高まることで起きる症状です。
交感神経は、適度であれば体を活動状態にしてくれる神経なのですが、そこに「強いストレス」が加わることで適切なレベルを超えてしまいます。
交感神経の異常な高まりは、脳が「緊急事態」だと錯覚してしまうのです。
本当は、蓄積したストレスが交感神経を高めてしまっているのですが、脳中枢の中の「生命維持」に関わる部位が「命が危険にさらされている」と、誤った認識をしてしまいます。
脳が緊急モードに切り替わることで「不安感」や「恐怖」という感情が生まれるのです。
「動悸」の方も、脳の錯覚によって、全身が緊急モードにシフトすることで起きる症状の一つです。
命の危険にさらされるような場面では、体の血糖値と心拍数を上げ、窮地に対処するための”準備”を体が始めます。
よく、車で事故を起こしそうになり、なんとかそれを防ぐことができたような場面・・・また、非常に大きな音が近くで鳴り、ドキッとした後など、もう安全だとわかった頃に心臓がドキドキと脈打つのを経験したことがあると思います。
これも瞬時に脳と体が反応し、交感神経を速やかに活性化させたことによる現象です。
仕事前に感じる「不安」「動悸」は、積もりに積もったストレスからもたらされる、自律神経失調症の代表的な症状だといえます。
悪化する前に対処することが大切
不安や動悸といった症状は、比較的初期の頃に感じやすいものですが、これを「気のせい」とか「疲れのせい」だと放置して何も対処をしないと、どんどん悪化していくことになります。
不安や動悸が日中頻繁に起こるようになり、そこから強い疲労感や脱力感を感じるようになったり、夜に眠れなくなったりすると、次の段階へと悪化した証拠です。
自律神経失調症はストレスによる過敏状態ですが、それに体が耐えられなくなると、今度は「無反応状態」へと移行していきます。
この状態が「うつ病」や「パニック障害」です。
これらは、脳機能で重要な「神経伝達物質」の分泌不足、また伝達神経そのものの機能が低下することで起こり、治療においては自律神経失調症よりも困難になりやすいといわれています。
場合によっては仕事を続けることが難しくなり、退社せざるを得ない状態になることもめずらしくありません。こうならないためにも、まだ軽度な不調のうちに早めの対処をすることが大切なのです。
ストレスコントロールを身につけよう
自律神経の乱れを感じたら、まず最初にすべきことが「ストレスコントロール」です。
仕事そのものをストレスと感じないために発想を変えたり、頑張りすぎて自分を追い詰めないために、少し楽観的になることも大切です。
またストレスを長期間体に溜め込まないように、毎日解消する努力もしましょう。
ゆっくりと入浴をしてリラックスする時間を設けたり、体を適度に動かして体のこわばりを取ることもストレスコントロールになります。
また、最近流行している、アロマテラピーやハーブティー、ヒーリング音楽を楽しむなどの「楽しみの時間」を自分に与えることもストレスコントロールに最適です。
これらはどれもかんたんに始められることであり、それが自律神経失調症の「治療」になるとは考えにくいものですが、その効果は医学的にも実証されています。
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最近では年齢を問わず自律神経失調症患者は増えているとの統計がありますが、会社で働く人はその分ストレスも多くなり発症率は高いといえます。
忙しい毎日の中で、ふと我に返る時間をつくり、自分の心と体の調子をチェックしてみましょう。
”ストレスコントロール”は、いまや日本人のすべての人が意識すべきものですので、現在症状を感じていなくても、積極的に取り組むことをおすすめします。
〈まとめ〉
- 仕事前に自律神経失調症のサインが現れやすい
- 仕事前の「不安感」「動悸」は交感神経が異常な働きをすることが原因
- 自律神経失調症はうつ病などに進行しやすいので早めの対処が必要
- ストレスコントロールを実践して自律神経失調症に対処しましょう