残業のしすぎ・過労によって自律神経失調症になるケース~原因と対策~
自律神経失調症は、残業のしすぎや過労によっても引き起こされることがあります。
しかし、同じ会社で同じ仕事をしている人がすべて自律神経失調症になるわけではありません。
一方は日々疲れを溜め込み、もう一方は健康的にハツラツと仕事を続けられるといった差が生まれることも少なくありません。
ですから、残業や過労自体が直接自律神経失調症の原因ではないということがわかります。
この両者の比較によって、自律神経失調の本当の原因がわかり、そして適切な対策をたてることができるのです。
残業や過労で自律神経失調症になりやすい人の特徴
残業や過労によって自律神経失調症になる人には、いくつかの共通点がみられます。
以下に代表的なものを記しました。
- 生真面目で手を抜かない
- 怒りや悲しみ、後悔など感情の波を何日も持続させてしまう
- 深く考えすぎる
- 攻撃的な性格
- 内向的で自分の意見を言えない性格
- 睡眠習慣が悪い
- 食生活が悪い
- 趣味をもたない
こういった性格や習慣をもつ人が残業で過労気味になると、自律神経失調症になりやすいと言われています。
≫自律神経失調症になりやすい人となりにくい人の特徴│予防する考え方は?
『ストレス』を増幅させる考え方は要注意!
同じ状況、環境で仕事をしていても、自律神経失調症になる人はそうでない人よりも疲れています。
- 「なんでこんなに働かなくてはならんいんだろう?」
- 「いつまでこんな生活が続くんだろう?」
- 「いつも自分だけ損をしている」
- 「あの人はなんて要領が悪いひとなんだろう?」
こういった不平や不満を持つことによって、脳内には「負の思考回路」ができあがります。
科学的な説明をすると、いくつかの神経伝達物質のうち「ノルアドレナリン」や「コルチゾール」などのストレスホルモンが多量に分泌してしまうのです。
これらのストレスホルモンによって自律神経の交感神経が刺激され、筋肉が硬直してしまうため、適度な休息がとれなくなります。
また、こういった負の感情は帰宅しても続きますし、何日も何ヶ月も続くこともありますから、その間はずっと不安や緊張、恐怖感、嫌悪感などに支配されることになってしまいます。
自律神経の興奮は睡眠障害を起こし、さらに疲れを増幅させ「セロトニン」という感情をコントロールする大切なホルモンを過剰に消費します。
「セロトニンの枯渇」が起きると、神経伝達物質のコントロールができなくなって、最後にはうつ病やパニック障害など重度な精神病を招いてしまうこともあるので注意が必要です。
残業や過労で自律神経失調症にならない対策は?
残業や過労によって自律神経失調症にならない理想の方法は、「認知(ものの捉え方)を変えること」ですが、それまでの考え方を変えることはそう簡単なことではありません。
事実、精神科で行う「認知療法」は非常に長い時間がかかる傾向にありますし、担当医師にも高いノウハウが必要になる治療法です。
しかし、自律神経失調症を悪化させず、徐々に症状を緩和させていく方法もあります。
- 適切な食事を摂る(自律神経を整える栄養素と食事レシピ)
- 睡眠の質をあげて熟睡するようにする(寝つきを良くして心身の健康を守る『グリシン』の効果│多く含まれる食品・サプリメントは?)
- 早寝早起きで生活リズムを整える
- 運動や趣味をとり入れる
感情をコントロールする脳内ホルモン「セロトニン」は、人体のあらゆる部分に影響を与えて健康を維持する物質です。
このセロトニンの不足を補うためには、たくさんのアミノ酸(とくにトリプトファン・グリシン・ギャバ)を摂取できる正しい食生活をしなくてはなりません。
また、正常な精神を保つにはビタミンやミネラルなども十分に摂る必要があり、自律神経失調症の人は健康な人よりも多くの量が必要になります。
睡眠障害が併発しているようであれば、天然原料の生薬や薬草に古くから「眠れる成分」を含むもの(クワンソウなど)や、精神を落ち着ける効果のあるもの(ノニなど)をとり入れるのも良いでしょう。
最近ではサプリやドリンク剤がたくさん開発されています。
こうして全身の不調を取り除きながら、運動や趣味でときどき気持ちをリセットすることで自律神経のこわばりを取り去ることができるのです。
【この記事のまとめ】
- 残業や過労で自律神経失調症になる人とならない人がいる
- 自律神経失調症になる人は『ストレスを増幅』させる性格をしている
- 残業や過労で自律神経失調症にならないためには生活習慣全般を見直す必要がある
- 自律神経失調症改善には足りない栄養素や睡眠成分をサプリやドリンク剤で補うと良い