ろれつが回らない、活舌が悪くなるのは自律神経失調症?うまく話せなくなるのはなぜ?

自律神経失調症の症状の中には、「ろれつが回らない」「滑舌が悪くなる」といったものがあります。

とくに激しい苦痛が伴わないこれらの症状は軽視されがちですが、症状的には十分な注意をしておかなくてはならないものです。

ろれつが回らないなどの症状には、他の深刻な病気の可能性もあるため、しっかりと判別することも必要です。

ここでは、ろれつが回らない、滑舌が悪くなるといった症状の原因と、自律神経失調症との関係性、またその他の疾患との見分け方などを、詳しく解説しています。


ろれつや活舌が悪化する原因

ろれつや滑舌が悪化してしまう場合には、自律神経失調症のケースとそれ以外の病気のケースがあります。

以下を参照してみましょう。

自律神経の乱れ(ストレス)

自律神経失調症になると、全身の筋肉が緊張状態に陥ります。このとき自律神経の「交感神経」が過度に活性化してしまい、ほどよいリラックス(休息)が取りにくい状態になります。

自律神経失調症による筋肉の「緊張」「硬直」は、腕や足、胴体といった大きな筋肉はもちろん、体の各部位の非常に小さな筋肉群もまた緊張して本来の動きが難しくなります。

人の顔の部分には、非常に小さな筋肉が集合した「表層筋」があり、またろれつや滑舌に関係した筋肉である「顎舌骨筋」などがあります。

これらの筋肉群もまた、自律神経失調症の交感神経の影響によって緊張・硬化してしまい、舌の動きのスムーズさが失われて言葉がうまく発音できなくなるのです。

自律神経失調症の多くの原因は「ストレス」です。

強いストレスを受けるシチュエーション(発表会・演説・会議での発言など)で、ろれつや滑舌が悪化して普段通り喋れなくなるのもこのためだといえるでしょう。

その他の疾患

ろれつや滑舌が悪化してしまう場合、自律神経失調症よりも重篤な病気が引き金となっていることもあるので、細心の注意が必要です。

代表的なものが、「くも膜下出血」や「脳梗塞」などの脳血管の障害で、これらは近年死亡原因として上位に上がる怖い症状です。

また、「筋ジストロフィー」「ALS」といった筋肉障害、また「小脳」の病気である可能性もあります。


自律神経失調症かどうかの判断材料

ろれつが回らない、滑舌が悪くなるといった症状が明らかに異常な状態で現れた場合には、すぐに病院を受診することをおすすめします。

前項の「その他の病気」で挙げたような重篤な病気は病院ですぐに発見されますから、その場合はその後のすべてを病院にゆだねることになります。

しかし、自律神経失調症が原因であるならば、「何も異常はありません」という検査結果が言い渡されるか、「おそらく自律神経が関係しているかもしれません」といった”不明瞭な結果”が出る場合もあるでしょう。

自律神経失調症は、病院の精密検査でも数値として現れない疾患として知られています。

自分で自律神経失調症かをある程度判断する材料は、

  • 強いストレスを受ける環境にいる
  • 持続した悩みやストレスがある
  • 最近、原因不明の不調が続いている

など、精神的ストレスが最近あったか?その他にも不調が出ているか?などを確認することである程度判別することができます。

ストレスを見直し、負荷を減らす努力をしよう

自律神経失調症をもたらす「ストレス」は、ここではすべて書ききれないほど広範囲で、たくさんの症状を発症させます。ろれつや滑舌が悪化する状態になり、他の病気でないことが病院で分かったら、日々の生活の見直しを始めることが大切です。

自律神経失調症の最大の原因は”ストレス”ですから、まずは、精神的な負荷を減らす努力を始めます。職場でストレスを感じるようならば、「仕事とプライベート」の時間をきっちりと区別し、帰宅したときに仕事のことをすスッパリと忘れ、趣味や娯楽を楽しみましょう。

家庭内でのストレスに苦しんでいる場合にもやはり、「自分だけの時間」を作ることが大切です。好きな本や映画・音楽などに没頭したり、ゆっくりと半身浴などをして「何も考えない時間」を持つことが有効です。

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自律神経失調症は、交感神経と副交感神経が切り替わりにくくなる症状ですので、意識的に雰囲気や気分を変えることが改善につながります。毎日受けるストレスを、その日のうちに解消してしまうのが、自律神経失調症の予防と改善の基本です。

人の口の中は、下と頬の内側、唾液腺など小さな器官が集まり、精密機械のように複雑な動きをしています。その動きの細かさや繊細さは、指先にも匹敵するものです。

自律神経失調症は、こういったデリケートな性質を持つ、体の器官に障害が現れやすく「ろれつが回らない」「滑舌が悪くなる」といったものも、代表的な症状の一つなのです。


〈まとめ〉

  • ろれつや滑舌が悪化するのは自律神経失調症の可能性がある
  • ろれつや滑舌が悪化する原因には自律神経失調症以外の重篤な病気のケースもある
  • ろれつが回らない原因が自律神経失調症かどうかチェックしよう
  • 自律神経失調症改善にはストレスによる精神的な負荷を受けないよう生活を見直す


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