要注意!【動悸・息苦しさ・圧迫感】の原因や具体的な症状、改善策は?
自律神経のバランスが狂うことで起こる症状は多くありますが、中でも「動悸」「息苦しさ」「圧迫感」は、代表的な症状と言えるでしょう。
症状が起こっても数分経ってすぐに治まる場合もありますが、モヤモヤとした気持ち悪さ、吐き気、立っていられないほど苦しい状態がしばらく続くケースもあります。大半はパニック発作のように突発的に起こるため、日常生活に支障をきたすことが多いのが特徴です。
このページでは、こういった【動悸・息苦しさ・圧迫感】の具体的な原因や症状、改善策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
【1.動悸が起こる原因や症状】
特に激しい運動をしたわけではないのに、じっと座っていたりベッドで横たわっていても動悸が起きるような状態です。このときは血圧が上昇していますので、体が暑く感じたり脇やひたいに汗がにじむこともあります。
考えられる原因としては、「自律神経の乱れ」が挙げられます。
長期間にわたって恐怖や不安、緊張などのストレスを抱え続けると、自律神経が異常をきたして誤作動を起こし、必要の無い時にでも人体を「危険モード」に切り替えてしまいます。より多くの血液を全身に送り出すために血管は収縮し、心臓の働きも激しくなります。これが「動悸」や「息苦しさ」といった症状として体に現れるのです。
このような症状を緩和するためには、まず「危険モード」になっている自律神経を正常に戻さなくてはなりません。自律神経を正常に戻すためには、「リラックス」を意識して取り入れるようにし、ストレスを溜め込まないことが大切です。忙しくてストレスケアに十分な時間を設けることができない方は、リラックスやストレス対策に役立つ成分を日頃から摂取しておくことをおすすめします。
参考記事➡【不安・憂鬱・緊張・ストレス】に!おすすめのサプリメント
【2.息苦しさが起こる原因や症状】
息苦しさを強く感じる症状は、
- 呼吸が浅く感じる
- 酸欠のような感覚
- フラつきや軽いめまいなども併発することもある
- 強い不安を感じたときや就寝前に起きやすい
- 意識すればするほどに呼吸は浅くなり息苦しくなる傾向がある
といった特徴があります。
呼吸は自律神経が管理して動かしている機能です。呼吸が浅くなる原因の一つに胸筋の緊張があり、これは精神的なストレスを受けて交感神経が優位になって起きる症状です。
また呼吸は横隔膜の上下によって大きく吸排気しますが、横隔膜の直下にある胃が緊張によって上方に押し上げられ、十分に下に下がらないことでも呼吸は浅くなります。これも息苦しさや胸のつかえの原因になると考えられます。
息が苦しくなると吸う事に必死になってしまい、吐き出すことを忘れてしまう状態(過呼吸症候群)を併発してしまう場合もあり、この症状が出ることで新たな不安の原因を作り出すことになります。
この症状のやっかいなところは、気にするほどに「また苦しくなるのではないか」「このまま死んでしまうのではないか」など、次々と不安が襲ってくるため、この悪循環からなかなか抜け出せないことがあるということです。
これは「パニック症候群」の症状の一つでもあり、「不安神経症」とも呼ばれています。
このように、自律神経失調症で現れやすい症状の一つに「息苦しさ」が上げられます。
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【3.圧迫感が起こる原因や症状】
喉の奥から胸にかけて異物感や圧迫感を感じ、長時間気になってしまう症状です。
自律神経の緊張が続いてしまうと全身のあらゆる場所が「締め付ける」ような動きをします。
人体の顔部分は自律神経の影響が強い部分で、緊張すると笑顔も引きつってしまうようになったり、喉が締め付けられて声が裏返ったりもします。
喉まわりの筋肉群が窮屈になり、これに加えて唾液腺の入り口も締め付けられます。唾液が十分に分泌されない状態が続くと、喉に圧迫感を感じて異物が詰まったような感覚になるのです。
精神的に追い詰められるとこういった状態になりますが、喉の緊張は少しの焦りや恐れなどの心の動きにでも反応してしまいますので特に自律神経の影響が出やすい部位だと言えます。
動悸・息苦しさ・圧迫感の改善策
動悸や息苦しさといった症状は、精神的なダメージも大きいものです。こういった症状がトラウマになり、新たなストレスの原因となってしまうことも少なくありません。
動悸や息苦しさが慢性化してしまうと、外出したり人と会うことを避けるようになり、生活の質が大きく低下してしまう恐れもありますので、早急に対処することが大切です。
病院での検査が必要な場合
症状がひどい場合は、病院で検査を受けることをおすすめします。
動悸や息苦しさなどの症状は、心因性(精神的な)の症状である可能性が比較的高いようですが、「不整脈」や「心不全」、「心筋梗塞」など命に関わる疾患である可能性もあります。
まずはレントゲンやCTなどの検査によってこれらの疑いを解きましょう。重篤な症状でないということが判明すれば、ひとまず安心につながります。
心因性のものであれば、症状を引き起こしている「ストレス」と向き合う必要があります。ストレスになっていることから「身をひく」ことが一番手っ取り早い改善策なのかもしれませんが、なかなか難しいことも多いでしょう。そんなときは以下の改善方法がおすすめです。
ストレスを溜め込まず、定期的に解消できる習慣を身につける
自律神経に大きな影響を与えるのが「ストレス」です。
日々のストレスを溜め込まずにうまく解消することが、自律神経失調症の改善の大きなポイントとなります。
〈ストレス解消法〉
- 散歩などの軽めの運動
- ストレッチ
- 入浴(とくに半身浴が効果的)
- アロマテラピーを始める
- ハーブティーを飲む
- ヒーリング音楽を聞く
- 座禅や瞑想をする
- 呼吸法(ヨガなどの)を実践する
- 好きな趣味に没頭する
- 仲の良い友人と会話をする
- 動物と触れ合う
現代人はストレス過剰な状態です。
これは社会構造や社会の価値観からもたらされるものですから、まったくストレスを受けなくすることはもはや不可能だといえます。
毎日少しでも受けたストレスを解消し、”溜め込む”ことを回避することが大切だといえるでしょう。
誰でも簡単に始められるストレス対策が、心身の不調を整える効果が高い「ハーブティー」です。ハーブの中にはストレス解消やリラックスに役立つものがいくつかあり、そういったものを活用することで精神の安定を得ることにもつながります。
ストレスに強くなるために必要な栄養素を体に取りこむ
「食事と栄養」は、自律神経に大きな影響を及ぼします。
症状の悪化を防ぐためにも、日常的に以下のような栄養素を摂取するようにしましょう。
トリプトファン
人の感情や体の「オンとオフ」を切り替える自律神経ですが、その源泉は「脳内」にあります。
脳の中には神経伝達物質というホルモンが存在し、セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンといったものが作用し、自律神経を使って心身をコントロールしています。
この中の「ノルアドレナリン」の異常な活性化は、自律神経失調症などの精神障害を引き起こす黒幕だと考えられます。そして、その暴走を抑えるために働く「セロトニン」が不足することで、ノルアドレナリンにブレーキがかからなくなります。
このセロトニンは、”トリプトファン”というアミノ酸一種を原料として体内で合成するので、食生活が悪くトリプトファンが不足してしまうと、十分な機能を果たせなくなってしまいます。
ストレスを受けている状態では、たくさんのトリプトファンが必要になるので、普通の食事では不足気味になりがちです。
サプリメントなどを上手に活用し、効率的に補うようにしましょう。
参考記事➡精神安定・安眠を促す『トリプトファン』の効果│多く含む食品・サプリメントは?
ギャバ
脳内の神経伝達物質には、上記で書いたセロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミン以外にも、たくさんの種類があります。
上記の3つ以外で自律神経失調症と深く関係しているのが「ギャバ(GABA)」です。
ギャバはセロトニンに次ぐ、脳の鎮静物質として知られています。
ギャバも本来ならば体内で合成される分で十分なはずなのですが、ストレスを多く受ける生活をしていると不足してしまうことがあります。
ギャバにもセロトニンと同様に、脳の興奮を抑えてストレスを解消する働きがあるので、自律神経失調症改善には有効な成分です。
しかし、ギャバも食事で摂取することができますが、現代人の多くが不足傾向にあります。ギャバは「玄米」「ブラン(小麦外皮)」といった穀物の外皮に多く含まれますが、現代では精製された穀物しか摂取しませんので、どうしても足りなくなってしまうのです。
このギャバも、トリプトファンと同様に「サプリメント」で補うことができます。
参考記事➡リラックス・イライラ抑制成分『ギャバ』の効果│多く含まれる食品・サプリメントは?
ビタミンB類
自律神経の要である、神経伝達物質もまた食事の栄養から代謝されて合成されます。このときに必要なのが「ビタミンB類」です。
ビタミンは非常に微量な栄養素ですが、体内の主な「生体活動の補助役」として活躍します。
そして、ビタミンB類は「代謝」に関わるビタミンなのです。ビタミンB類が不足すると、どれだけ高栄養価の食事をしても、一向に筋肉や内蔵、脳などの新陳代謝に役立てられません。
これは、”神経伝達物質”もまた同じことがいえます。前述のトリプトファンを摂取しても、ビタミンB類が不足していれば十分な代謝が行われませんので、ビタミンB類も十分に摂取しておく必要があるでしょう。
参考記事➡ストレスに強くなる「ビタミンB群」を摂取して精神疾患を予防しよう
交感神経(緊張・興奮)のはたらきを和らげるリラックス法を身につける
自律神経失調症はたいていの場合、「交感神経が過剰な働き方をし続けてしまう」といった状態になります。
この交感神経の暴走とも言える状態が、「動悸」や「息苦しさ」を招くひとつの原因です。
交感神経は、人が活発に動き回ったり、危険から身を守るときに活性化します。
それとは反対の「副交感神経」は、人の心と体に”休息”をもたらす自律神経ですから、意識的に優位に働いてくれるような工夫をすればよいのです。
副交感神経を優位にするためには、とにかく「リラックス」を心がけることが大切です。
効果的なリラックス法を身につけ、実践していくことが、過剰な交感神経の働きを抑えることにつながるということを覚えておきましょう。
参考記事➡自分でできる自律神経失調症改善法
動悸などの不安を抱えながら生活することは本当につらいことだと思います。「いつ起こるかわからない」という恐怖感がストレスになり、他の症状を引き起こすことも考えられますので早めに対処したいところです。
以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
〈まとめ〉
- 交感神経の過剰な働きを抑えるには「リラックス法」を見つけることが大切
- まずは精神面の原因である「ストレス」を解消することから始めると良い
- 自律神経失調症の肉体面の原因には「食事と栄養」が深く関係している
- 「トリプトファン」は重要な神経伝達物質”セロトニン”の原料
- 「ギャバ」はセロトニンに次ぐ鎮静物質
- 「ビタミンB類」は神経伝達物質の新陳代謝の役割も果たしている
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