【暑さ・発汗】は自律神経失調症のせい?原因と対策とは

「自律神経」は、人間の体のあらゆる生体活動に関与しています。

内蔵の動きや筋肉の働き、そして「体温調整」などもまた、自律神経によって適切に調整されているのです。

自律神経失調症になると、気温が低いのにもかかわらず「暑さ」を感じたり、異常な「発汗」に苦しめられることがあります。

これは自律神経が正常に働いていないことによるもので、自律神経失調症の代表的な症状の一つでもあるといえるでしょう。

ここでは、自律神経失調症による「暑さ」「発汗」の原因や対策などを解説します。

自律神経失調症による暑さや発汗の具体的な症状

自律神経失調症における異常な”暑さ”と”発汗”は、健康的な体温と発汗とは異なるものです。

〈自律神経失調症による暑さや発汗の具体的症状〉

  • 気温(室温)に関係なく暑くなる、発汗する
  • 緊張感や不安を感じたときに暑くなる、発汗する
  • ゆったりとくつろいでいるときに突然暑くなる、発汗する
  • 人と対面しているときに限って暑くなる、発汗する
  • 大勢の人の中にいるときに突然暑くなる、発汗する

こういった暑さと発汗は、本来の体温調節のためではなく、「精神的な要因」や「自律神経のコントロールの悪さ」によって起こります。

異常な暑さや発汗の原因は自律神経の乱れからくる

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の切り替えが鈍くなり、”間違った切り替え”をする症状です。

汗は交感神経が働いて分泌されるものですが、自律神経失調症になると不適切に交感神経が活性化されてしまい、思いもよらない暑さを感じたり発汗したりするのです。

「発汗」は交感神経が高まれば連動して分泌されますし、交感神経が高くなるときには血糖値や心拍数、血圧などが上昇することで暑さを感じるようになります。

これが自律神経の乱れによって異常な暑さを感じたり発汗してしまうメカニズムだと考えられます。

暑さ、発汗の対策3選

異常な暑さを感じたり発汗してしまうことは、改善せずに放置するとさらなる精神的な症状に進行してしまう危険性があります。

以下にご紹介する3つの対策で応急処置をはじめましょう。

①汗対策を用意しておく

自律神経失調症の汗は、それ自体が精神的なストレスになることもあります。

周辺に人がいる状態で汗をかくことに恥ずかしさを感じる人は、汗をかくことを「恐怖」してしまうのです。

こうなれば自律神経失調症から「不安障害」などにも進行してしまう恐れもあるため、「汗をかくことを恐れない」ために、事前に汗対策を用意しておくことが有効な手段なのです。

ハンカチやタオルといった汗を拭うアイテムは必ず携帯し、急な体温上昇に対処するために脱着しやすい上着などを用意しておきましょう。

脇汗などが気になる人は、制汗剤などを使うのも効果的です。

②深い呼吸でリラックスを心がける

汗対策を用意していたとしても、できるならば体温が上昇したり発汗したりすること自体を緩和させたいところです。

慣れてくれば、自分がどんな場面で暑く感じたり発汗したりするかが予想できるようになります。

そういった状態になる前に、一時的に自律神経を調整する方法が「深呼吸」です。

自律神経と呼吸筋には深いつながりがあり、本来自分の意思でコントロールできない自律神経も、「呼吸」を操作することで可能になります。

呼吸は、緊張や恐怖を感じたり、焦ったりしたときに「浅く回数が多く」なります。反対にリラックスしているときには、呼吸は「深く回数が少なく」なるのです。

この性質を利用し、体温上昇や発汗が起きる前に、深い呼吸でリラックス状態を強制的に作り、予防することを心がけましょう。

③入浴や温泉で自律神経トレーニング

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経が切り替わりにくくなる状態になっています。

環境の変化やシチュエーションに対し、体が適切な対応を取れなくなることで、さまざまな症状が現れるのです。

ですから、症状を改善するためには、交感神経と副交感神経を切り替えるトレーニングをすると、症状の改善が期待できます。

自律神経のトレーニングには「入浴」が有効だといわれています。

温かい湯船に浸かり、交感神経を高め、そして風呂から上がることで副交感神経に切り替えます。これを意識的に繰り返すことで、自律神経の切り替わり能力を強化するトレーニングになるのです。

入浴法を温泉で行うことができればさらに高い効果が期待できるでしょう。

この方法は、汗腺を鍛えることにもつながります。

 

自律神経失調症は改善をしないで長期間経つと、さまざまな精神疾患に変異しやすい性質があります。

異常な暑さを感じたり、発汗するような症状が出る人は、他人との接触が苦手になり「全般性不安障害」「対人恐怖症」「あがり症」といった、コミュニケーションに関わる症状になりやすいといわれています。

自律神経失調症も他の病気と同じく、「早期発見・早期治療」が大切です。

正常ではない暑さを感じたり、汗が出るのであれば、ただちに改善を始めなくてはなりません。

〈まとめ〉

  • 自律神経失調症の暑さや発汗は健康的なものとは異なる特徴がある
  • 自律神経失調症の異常な暑さや発汗は「交感神経の高ぶり」が原因
  • 汗対策を用意することで自律神経失調症の進行を予防することができる
  • 深い呼吸でリラックスすることで発汗を予防することができる
  • 入浴や温泉で自律神経トレーニングができる


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