自律神経失調症で【痛み】を感じる部分と症状について

自律神経失調症になると、体の各部分に「痛み」を感じることがあります。

各部分の症状やメカニズムは違いますが、どれも自律神経のバランスが乱れることで起きる可能性があります。

痛みを感じて病院を受診しても検査結果に異常がない場合には、「自律神経失調症」の疑いも視野に入れておいたほうが良いでしょう。

体の部位別に症状の特徴などを解説しましたので、参考にしてみてください。

自律神経失調症で痛みを感じやすい部分と具体的な症状

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、「血行障害」「呼吸器障害」「消化器障害」「眼精疲労」など、多くの生体器官に不具合が生じます。

その結果として現れる「痛み」には次のようなものがあります。

肩や首、腰の痛み

自律神経失調症による「肩や首・腰」の痛みには”筋肉の緊張”が関係しています。

自律神経失調症特有の交感神経の異常な高まりによって、全身の筋肉が硬直しやすくなるのです。

肩や首・腰といった”可動域”の広い部分は、緊張することで痛みを発しやすくなります。

また、緊張感は血管にまで及び、血流が悪化することで体温が下がるとさらに筋肉の緊張は強くなります。

関節の痛み

自律神経失調症によって筋肉の緊張が続くと、関節にも痛みが現れることがあります。

関節は、骨と筋肉がコラーゲンなどの潤い成分で滑るように動くという構造です。

それが、自律神経失調症によって周辺の筋肉が硬直し始めると、関節に余計な力が加わり、滑りが悪くなることで痛みが発生するのです。

また、自律神経のバランスが崩れることで体内のホルモンバランスも乱れ、コラーゲン自体が作られにくくなり、関節のスムーズな動きが失われて痛みが出ることもあります。

目の痛み(眼精疲労など)

自律神経失調症になると「目」に痛みが生じたり、眼精疲労になることもあります。

これは、交感神経の高ぶりによる”血行障害”が原因です。

目の器官には無数の毛細血管が張り巡らされ、酸素や栄養分を運んだり、疲労物質を回収しています。

自律神経失調症になって血流が悪くなることでこれらの働きが悪くなり、痛みやドライアイ、眼精疲労が発生するのです。

目の細胞は非常にデリケートであり、毛細血管も脆い性質があるので自律神経失調症になってしまうと早い段階で症状が現れやすい場所だといえます。

頭の痛み(頭痛)

頭痛も自律神経失調症の代表的な症状の一つです。

その原因は「三叉神経への刺激」「セロトニンの不足」などが考えられます。

自律神経失調症になると、筋肉や血管が収縮しやすくなりますが、それが突然拡張してしまうこともあります。このときに拡張した血管が三叉神経という頭部にある神経を圧迫してしまい、それが「痛み」となって現れます。

また、脳には「セロトニン」という神経伝達物質があります。セロトニンには脳機能をコントロールする役割があり、そして「痛みを軽減させる」という能力を持っているのです。

自律神経失調症になると、このセロトニンが大量に消費されていまい、不足することで「痛み」に弱い状態となります。

脳や頭部のような繊細な作りをした場所に慢性的な痛みを感じるのも、自律神経失調症によってセロトニンが不足することで起きると考えらます。

お腹の痛み(腹痛)

人の腸は、脳と密接なつながりを持っています。

よく緊張した時にお腹が痛くなったり、下痢や便秘をしてしまうのも、脳と腸の関係性を表した事例だといえるでしょう。

精神状態によってすぐにお腹が痛くなる症状を「過敏性腸症候群」と呼びますが、自律神経失調症になるとなりやすい症候群の一種です。

自律神経失調症によって起きる全身の「痛み」の症状は、痛み止めなどを服用しても根本解決にはなりません。症状がさらに悪化する前に、いち早い対処をすることが大切です。



サブコンテンツ