自律神経失調症は病院に通うだけでは治らない。自分でできる改善方法を取り入れることが大切
自律神経失調症を患い、これから心療内科や精神科にかかろうと思っている方、または既に通われている方は多いかと思います。
私自身、今から約4年前に自律神経失調症を発症し、心療内科に通っていた過去があります。
はじめは病院で処方された薬(抗不安剤、抗うつ剤など)を飲み続けていましたが、症状は思うように良くなりませんでした。通うたびにどんどんと薬の量が増えていき、結局根本的な解決には至らなかったのです。
そこで思い切って通院することをやめ、自分にもできそうな改善方法を次々に試していくスタイルに変えたところ、私がそれまで苦しめられていた動悸や息苦しさ、不安感、吐き気、肩こりなどの症状は着実に消えていきました。
この記事の目次
なぜ病院に行っただけ(薬だけ)では治らなかったのか
心身の不調に悩まされ始めたときは、「病院に行けば安心」「薬を飲んでいればいずれ良くなる」という漠然とした考えがありました。
確かに病院の先生に話を聞いてもらって症状を抑える薬をもらったときは、安心感からなのか「これでもう大丈夫」という気持ちが強かったと思います。
しかし、いざ病院に通って薬を飲み続けても、発症した原因(ストレスなど)をなくす努力が足りなかったため、症状が完治することはありませんでした。
そもそも抗不安剤や抗うつ剤は対症療法に過ぎません。つまり、薬を飲んでも症状(原因)の根本を変えるものではないのです。病院で薬が処方されるのは、あくまでもそのとき出ている症状を緩和したり、うつ病などへの悪化を防ぐことが目的です。
ですから、ただの風邪とは違い、病院に行ったからといって「すぐに治る」とは限りません。
自分でできる改善方法にはどんなものがある?
では、自律神経失調症を改善するために自分でできることには、どんな方法があるのでしょうか。
以下に、私が病院の先生や数々の書籍から学んだ改善方法を3つご紹介します。どれも実際に試し、心身の不調に対して改善効果を得られた方法ですので、ぜひ一度お試しください。
思い当たるストレスがない場合は栄養摂取に気を配る
自律神経失調症は、必ずしも「精神的ストレス」だけが原因になるわけではありません。
仕事の悩みや人間関係のストレスから発症するような場合は比較的ストレスの原因を自覚しやすいですが、その他の原因の場合は自分でも気が付かないようなことも多いです。
たとえば、「食生活の乱れ」はその典型と言えるでしょう。
外食、レトルト食品、偏った食事などが続くと、知らず知らずのうちに心身の健康に何らかの被害が及ぶ可能性があります。
日頃から精神の安定やリラックスのために必要な栄養素を十分に摂取しておかないと、心身にさまざまな不調が現れるようになってしまうのです。
代表的なもので言うと、精神安定に欠かせない物質「セロトニン」の元になる「トリプトファン」や、「ビタミンB類」が挙げられます。
これらの栄養素が不足すると、眠れなくなったり情緒不安定になったりと、不安定な状態が続くようになります。
私自身、これらの栄養素を意識して摂取するようになってから、不思議なくらい体の調子に変化が現れはじめました。
食生活の改善については以下の記事でくわしくまとめていますので、ぜひこちらも合わせて読んでみてください。
心身の緊張、不安感が強い場合はとにかくリラックスに徹する
緊張や不安感、憂鬱症状が出て心療内科や精神科に行くと、多くの場合は「抗不安剤」や「抗うつ剤」が処方されます。
私の場合は、薬を飲むと30分くらいでボーっとする感じがしてきて、そうかと思えば急にハイテンションになったりしていました。それまでの不安感がまったくと言っていいほどなくなって、不思議な自信が湧いてくる、といった感じです。
当然このような状態になれるのは薬のおかげであって、「本来の自分」ではありません。
ですが一旦このような状態を味わうと、まるで薬を飲んでいる状態が「本当の自分」と錯覚してしまうことがあります。私の場合は薬を飲むと自信に満ち溢れ、なんだか楽しい状態になっていました。逆に薬がきれるとどうなるか不安で仕方がありませんでした。これが薬物依存の怖いところです。
少しの間薬に頼る日々が続きましたが、「これではいつまで経っても根本的な解決にならない」ということに気が付き、すぐに薬を飲むことをやめました。※1
薬を飲まなくなるとやはり不安や緊張を感じることが大幅に増えましたが、あえてそれを受け止め「今はこれでしょうがない。少しずつ良くなるから大丈夫」と言い聞かせながら、自分でできる改善方法を模索しました。
私が実際に行って効果的だったのは、「リラックスを意識して取り入れる」ということでした。
自律神経失調症は交感神経(緊張・興奮状態)が優位になり続けることでさまざまな症状が出ますので、リラックスを取り入れて副交感神経を活性化させることに努めたのです。
具体的なやり方は以下の記事にくわしくまとめていますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
憂鬱や落ち込みが激しい場合は運動や日光浴が効果的
憂鬱、落ち込みといった症状は自律神経失調症の中でも非常に多い症状だそうです。
そもそもこれらの症状は、脳内の『セロトニン不足』によって起こります。
セロトニンについては『自律神経失調症の治療に欠かせない『セロトニン』│増えるメリット・減るデメリット・増やし方など』の記事でくわしく解説しています。
セロトニン不足を解消する方法として挙げられるのが、「運動」と「日光浴」です。
運動に関しては、ただやみくもに体を動かすだけではセロトニンの分泌を促すことはできません。
「リズム運動」と呼ばれる、一定のリズムで行える運動が良いとされています。
例えば、ウォーキングや水泳、サイクリングなどが挙げられます。このように、セロトニンの分泌を目的とする場合はあまりハードな運動は向いていません。
また、日光に当たることもセロトニンを活性化させる方法の一つです。
詳しく言うと、「目の網膜」に日光を浴びることが大切だそうです。とは言っても、決して日光を直視しないように気をつけてください。目をつぶった状態で寝そべって日光浴を楽しむのも良いですし、あまり意識せずに外を歩くだけでも十分に日光を浴びることができます。
セロトニンに関しては以下の記事でも解説していますので、興味のある方はご覧ください。
➡腸内環境を整えて精神を安定させる方法│効率よくセロトニンを増やして不調を改善しよう
※1.基本的には薬の増減は医師の判断によって行われます。自分で勝手に判断して断薬することはおすすめしません。もし処方の仕方について不安に思うことや要望があれば医師に相談することをおすすめします。