自律神経失調症からうつ病は併発する?~症状や原因、予防法~

自律神経失調症を長い間放っておくと「うつ病」を併発することがあります。

一般的にうつ病は、精神的な悩みやショック・ストレスなどで発症すると思われがちですが、じつは自律神経などの”肉体的な要因“が影響している場合もあるのです。

まずは「うつ病」とはいったいどんな病気なのかを知っておきましょう。

うつ病の具体的な症状

  • 気分が落ち込む
  • やる気が出ない
  • これまで興味のあったものに楽しみを全く感じられない
  • 自己否定が強くなる
  • 根拠のない罪悪感におそわれる
  • 気がつけば「何も考えていない状態」が長く続く
  • 日常的な家事や用事を片付けられない
  • 集中力がきわめて低下している
  • 以前よりも決断力が低下している

「気分が落ち込む」「やる気が出ない」などの状態は、誰にでも訪れる心のバイオリズムですが、普段の波よりもずっと重い場合はうつ病の可能性があります。

精神医学的には、これらの症状が「2週間以上」継続するならば『うつ病』と判断します。

自律神経失調症とうつ病の関係や考えられる原因

人体は大きく分けて「脳」と「体」で構成されています。

そしてこの両者をつなぎ、人間が「意志によって活動をコントロール」するための”伝達役”として、「自律神経」が機能しています。

自律神経は、いわば「脳と肉体のかけはし」のようなものであり、脳から肉体へまた、肉体から脳へと、大量の情報を行き来させるための器官といえます。この”情報伝達”という働きに障害が表れるのが「自律神経失調症」です。

自律神経失調症は、ストレスや精神的な要因で発症することがありますが、その他に「寝不足」「運動不足」「食生活の悪化」などの生活習慣が原因となって起きることもあります。

うつ病は、脳内物質のはたらきに異常が生じることで起こる

「うつ病」は、脳内で分泌される「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」「オピオイド」などが深く関係します。

これらの神経伝達物質が、過度の刺激によって疲労・不足・枯渇することによって『うつ症状』が現れます。「自律神経失調症からうつ病を併発する原因」は、これらの神経伝達物質が関係していると考えられます。

自律神経失調症により、適切でない動きをしてしまう「交感神経」が、ドーパミンやノルアドレナリンを過度に刺激し続け、セロトニンを消費し、しまいには不足させてしまいます。

そして”人間の情動”を麻痺させるオピオイドを多量に分泌させることにより発症するといわれています。

「オピオイド」は自然界で「捕食される側の動物」が、命の最後に分泌して痛みや苦痛を感じないで済むように分泌される脳内ホルモンで、人間にも備わっている「最後の救済機能」です。

これが、機能の低下した脳の混乱が続くことによって頻繁に分泌されると、「うつ病」になってしまうのです。

自律神経失調症からうつ病を発症する経緯

1.自律神経失調症になる

2.交感神経がノルアドレナリンやドーパミンなどの”興奮系伝達物質”を刺激し続ける

3.神経伝達物質の抑制役をする「セロトニン」が枯渇し、脳全体のコントロールができなくなり混乱する

4.脳を麻痺させて機能を低下させる「オピオイド」が分泌され「うつ病」になる

 

うつ病を併発させないための予防法3つ

”自律神経失調症から併発するうつ病”に関しては、他のうつ病とは少し違った予防法を心がけます。

①睡眠の質を向上させる

自律神経失調症には「睡眠の質」が深く関係しています。

夜更かしをしたり、昼夜逆転の仕事をしている人にうつ病が多いのも「睡眠の質」が悪いからです。

「早寝早起き」を基本とし、「睡眠前に飲食をしない」こと、「寝酒・喫煙・カフェインを控える」こと、また、「照明を付けたまま眠る」「眠る前にパソコンやスマホを見る」ことなども睡眠の質を低下させる原因です。

質の高い睡眠をとって免疫力を高めることが自律神経失調症の改善につながる

パソコン・スマホのやりすぎは自律神経に悪影響を及ぼす│その理由と対策は…

有酸素運動をとり入れる

「運動不足の人に自律神経失調症が多い」といわれています。

適度に体を動かすことは、固まって切り替えが悪くなった自律神経のスイッチをほぐしてくれますし、基礎代謝と筋肉量がアップすることで体温を上げて全身に柔軟性を取り戻すことができます。

また、苦痛が少ない有酸素運動などは、運動後にストレスが大きく軽減することが分かっていますので、自律神経失調症には最適の予防法なのです。

自律神経に効く運動・ストレッチで不調を解消する

食生活を改善する

ここ数年、専門家のあいだでは「食生活と自律神経の関係」に注目が集まっています。

各神経伝達物質の調整役をするホルモン、「セロトニン」の原料である『トリプトファン』をはじめとするアミノ酸をまず摂取することが基本になります。

そして、神経伝達物質の代謝に必要な「亜鉛」「鉄」などのミネラル群、肉体的なストレスの原因となる活性酸素を除去するさまざまなビタミン群などをしっかりと摂り入れることが大切です。

現代人の食生活は、カロリーや脂質だけがオーバーし、これらの必須栄養素が不足気味です。

自律神経はこういった必須栄養素の不足からも引き起こされ、「うつ病の原因」となってしまうのです。

栄養知識があまりない人ならば、『サプリメント』『健康補助ドリンク』などで補給する方法もあります。

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この記事のまとめ

  • 気分的に重くてすぐれない「抑うつ状態」が2週間以上続くとうつ病の可能性が高い
  • 自律神経失調症からうつ病になる原因には「神経伝達物質」が関係している
  • 「自律神経失調症から併発されるうつ病」の予防には「睡眠の質を上げる」「有酸素運動」「食生活の改善」が効果的


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