なかなか治まらない咳は自律神経失調症のせい?具体的症状・原因・対策まとめ
「風邪でもないのに咳が止まらない」といった症状にも自律神経失調症が関係していることがあります。
「咳」が出る病気はたくさんあるため一概には言えませんが、強いストレスを長期間受け続けることで、喉の粘膜にも異常が現れることは珍しいことではありません。
今出ている咳が「自律神経失調症によるものなのかどうか?」をまず確かめてみましょう。
この記事の目次
咳が止まらないときの具体的症状
自律神経失調症によって咳が止まらなく場合、風邪などとは違った症状が現れます。
以下に当てはまるがどうか、チェックしてください。
〈自律神経失調症による咳の症状〉
- 咳は出るが鼻水や長期的な発熱がない
- のどがチリチリ、チクチクしたように感じる
- のどが圧迫され空気が通りにくい
- のどに何かつかえている感じがする
風邪の場合、初期症状が過ぎて数日すれば誰でも風邪であることが認識できるはずです。
咳以外の風邪の症状がなく、断続的に長期間咳が出るような場合には「自律神経」の異常が原因である可能性が高いといえます。
自律神経の乱れで咳が止まらなくなる理由
自律神経失調症は、活動と興奮をもたらす「交感神経」が優位な状態が不適切に続き、リラックス状態をもたらす「副交感神経」に切り替わりにくくなることで、さまざまな障害が現れます。
しかし、あまりに長時間にわたる交感神経の活動に脳が異常を感じると、”強制的”に副交感神経にスイッチしようとすることがあります。
試験やスポーツの試合・会社でのプレゼンなど、極度に緊張したときに頻繁にトイレに行きたくなるのも、脳の自律神経に対するリカバリー(修復)作用です。
ですから、自律神経失調症の人は思いもよらないタイミングで副交感神経が切り替わるということが頻繁に起きるといわれています。
呼吸器官の構造から副交感神経が働いている間には、気道が縮まって細くなります。子どもや風邪をひいた人などが夜になると咳が出やすくなるのも、夜に自律神経が徐々に副交感神経側に傾くためです。
自律神経失調症の人が咳が出やすいのも、脳のリカバリー反応によって突然副交感神経に傾くことで、一時的に気道が狭まることが理由だといえるでしょう。
咳がとまらないときの対処法
自律神経失調症によって咳が出た場合、「狭まった気管を拡げる」ことが大切です。
次のような工夫をしてみましょう。
- 喉の部分を温める
- 温かい飲み物を飲んで気管を拡げる
- 横向きに寝る
- 加湿器を使う
- マスクをする
これらは、自律神経失調症以外の咳にもある程度効果があります。
また、昔から民間療法として伝わる「大根おろし」や「はちみつ」「生姜湯」なども効果は期待できるでしょう。
これらの民間療法もまた、収縮して空気の通り道が狭くなった気管を拡張する性質があるのです。
少しでも早く根本改善に向けた行動をとることが大切
前項で挙げた「咳の対処法」は、あくまで”一時しのぎ”にしか過ぎません。
初期の段階で治療をスタートさせないと、徐々に自己解決できないまでに悪化することも少なくありません。他の疾患に悪化してしまう前に、根本からの改善を試みる必要があるでしょう。
栄養管理を含めた生活習慣の見直しや、心理的な原因を見つけてストレスを解消するなどを積極的に行いましょう。
-症状の改善に役立つページ-
咳などを含む自律神経失調症の数え切れない細かな症状のことを「不定愁訴(ふていしゅうそ)」といいます。
不定愁訴の一つ一つを、鎮痛剤や鎮静剤などの対処治療薬で緩和させてもキリがありません。
多くの症状の根源であるストレスや生活習慣の原因を突き止め、改善への一歩を踏み出しましょう。
〈まとめ〉
- 自律神経失調症が原因の咳には特徴がある
- 脳のリカバリーによって副交感神経が突然活発になって咳が出るようになる
- 自律神経失調症の咳対策は「気管を拡張する」ことがコツ
- 自律神経失調症の咳は対処法ではなく根本改善することが大切