歯ぎしりやくいしばりを予防して肩こりや不眠症を改善する

自律神経失調症の症状のひとつに、「眠りが浅い」「朝すっきり起きられない」などの睡眠障害があります。

これらの原因として、『ストレスからくる自律神経の乱れ』が挙げられますが、もっと他の部分に原因が潜んでいることがあります。

その一例が『歯ぎしりや歯のくいしばり』によるものです。

歯ぎしりやくいしばりは、日中の目覚めているときにも無意識にしてしまいがちですが、問題は意識のない睡眠中に起きるということです。

歯ぎしりは「睡眠時ブラキシズム」とよばれる病気の一つで、肩こりや睡眠の質を低下させるなど、精神的にも肉体的にもさまざまな悪影響を与えてしまいます。

ここでは、そんな歯ぎしりとくいしばりの原因や改善方法などをまとめてみます。

歯ぎしりやくいしばりはなぜ起こる?2つの原因

歯ぎしりやくいしばりが睡眠中に起きる直接的な原因には以下の2つが考えられます。

ストレス解消のため

1つ目の原因は、「日中に受けたストレスを解消するために、脳が歯茎に刺激を与える」というはたらきです。

これは、イライラしたときに無意識に行う「貧乏ゆすり」などと同様に、歯を噛み合わせること自体にストレス解消の効果があるために起こります。

歯茎には歯根膜(しこんまく)と呼ばれる触覚があり、歯を噛み合わせることで刺激を受けると、イライラを鎮静する物質が分泌されることが分かっています。

逆流性食道炎によるもの

2つ目の原因は「逆流性食道炎」です。

逆流性食道炎は、胃酸が食道を伝って逆流する症状ですが、これをこらえるために歯を強くくいしばることがあります。

ただし、この逆流性食道炎もまた「ストレス」によって胃酸が過度に出てしまうことも大きな原因ですので、結局は歯ぎしりやくいしばりは「ストレス」が関わっているといえるでしょう。

歯ぎしりやくいしばりによる悪影響

睡眠中の歯ぎしりやくいしばりが起きているときには、通常の食事中の咀嚼の何倍もの力がかかっています。

ですから、歯と歯茎・あごの関節に強い負担がかかります。

「歯が欠ける」「ヒビが入る」「顎関節症になる」などの物理的な損傷が起きる可能性があります。

また、噛みしめる行為は「イライラを鎮静する物質が分泌される」と書きましたが、これが度を超すと脳が興奮状態になってしまいます。

睡眠中はリラックスした状態でなければいけませんので、脳の興奮によって睡眠の質が低下し、睡眠障害になることもあるのです。

また、歯ぎしりやくいしばりの習慣がある人のほとんどは「力みのクセ」がついているため、肩こりの悩みを持っています。

自分が歯ぎしりやくいしばりをしているか確認する方法

このように、歯ぎしりやくいしばる症状は健康に良いものではありません。

これらをなくして肩こりや睡眠障害の原因を排除することは、自律神経失調症を改善するうえでも大切になってきます。

しかし、睡眠中の歯ぎしりは自覚できないのは当然ですね。

そこで、自分が眠っている間に歯ぎしりやくいしばりをしているかどうかをチェックできる方法を以下に挙げておきます。

  • 心当たりがないのに歯にヒビが入っている
  • 原因不明の肩こりがある
  • 頬の内側に噛みあとが残っている
  • アゴ周辺の筋肉にこわばりがある
  • こめかみ部分の頭痛
  • 冷たい飲み物を飲んだときに口の中の粘膜がしみる

これらにいくつか当てはまっていれば、歯ぎしりやくいしばりを疑いましょう。

歯ぎしりやくいしばりを予防して肩こりや不眠症を改善する方法

ご紹介した歯ぎしりやくいしばりは、精神疾患や自律神経失調症などの症状の一つと考えられます。

不眠症や肩こりのストレスによって、自律神経失調症の症状が悪化したり、治療の妨げになる可能性もありますので、早急な対処が必要だと言えるでしょう。

 

歯ぎしりから引き起こされる肩こりや不眠症を改善するには、「ストレスケア」が大切です。

精神的・肉体的に蓄積されるストレスを解消するには次の方法が効果的です。

  1. リラクゼーションを取り入れる
  2. ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れる
  3. 精神安定を促す『セロトニン』を増やす

また、不眠症は『セロトニン』という脳内物質が不足することでも起こりやすくなりますので、セロトニンの分泌を助ける栄養素を摂取することでも改善させることができます。

以下の記事をお役立てください。

自律神経失調症による不眠症にマインドガードDXをおすすめする理由

食生活を見直して自律神経失調症を改善する│セロトニンを増やす栄養素と食事方法

自律神経失調症の治療に欠かせない『セロトニン』│増えるメリット・減るデメリット・増やし方など

「歯ぎしり」や「くいしばり」は肉体的な症状ですが、ご紹介したような精神的なアプローチによりストレスの蓄積を防ぐと、睡眠中の興奮が抑えられていきます。

おわりに

歯ぎしりやくいしばりによる肩こりや睡眠の阻害は、放っておけば予期せぬ健康被害の原因となります。

自律神経失調症やその他のストレス障害になる前に早めの対処をはじめましょう。

また最近では「マウスピース」や「マウスガード」などの物理的解決方法もあります。

しかし、これらは「歯を守る」という意味では有効ですが、マウスピースの装着からくる違和感があらたなストレスとなる場合もあるようです。そのため、長期間にわたって使用を続けることは避けたいところです。

直接的な原因である『ストレス』を解消することに意識を向けることが、根本的な治療へと繋がるでしょう。

この記事のまとめ

  • 歯ぎしりやくいしばりはストレスが原因
  • 睡眠中の歯ぎしりでチェックする
  • 「リラクゼーション」「有酸素運動」「トリプトファンやギャバをたくさん摂取する」ことで歯ぎしりやくいしばりから起きる肩こりや睡眠障害を改善できる
  • マウスピースを使い続けるのではなくストレスの解消に努めることが根本の治療に繋がる


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