イライラ・落ち着かない・集中力や記憶力低下 原因や具体的な症状
イライラ、落ち着かない、集中力や記憶力が低下するなど、精神的な不安定は自律神経の不調が原因であることが考えられます。
自律神経は脳と緻密に関わりあいお互いが干渉し合っているために、自律神経バランスが崩れると、感情や思考能力に影響が現れることがあります。
こういった症状は気持ちの問題・・と片付けられがちな疾患ですが、実は、さまざまなストレスが脳と自律神経に悪影響を及ぼすことが要因であることが分かっています。
【1.具体的な症状】
- 些細なことにもイライラし、普段何気なく見過ごすようなことにも敏感になり、強い怒りを感じる。
- 特に急ぐ用事もないのに意味も無く焦ってじっとしていられない、考えがまとまらずに断片的になる、立ったり座ったりを繰り返したり状態。
- いつもなら簡単にできてしまうようなことでミスを連発したり、さっき覚えたことでもすぐに忘れてしまい、何度も見返すような状態。
- 数学、形状、図などを記憶、判断できにくくなる、道路の道順が把握できなくなる。
【2.脳と自律神経】
脳は複数のブロックに分かれてそれぞれの役割を果たしています。
①「大脳新皮質」は精神をつかさどり、性格な判断力など知性に関わる部分。
②「大脳辺縁系」は情動、感情をつかさどり、喜怒哀楽や不安、恐怖、焦燥感などに関与している。
③「視床下部」は上記の2つの脳が判断、決定したことを、全身の筋肉などの各器官に伝えるために働く部分であり、その時の伝達役が自律神経となる。
そしてこの伝達の方向性は、
・脳⇒自律神経(全身の器官)
・自律神経(全身の器官)⇒脳
と相互的にどちらからも影響し合います。
【3.原因は自律神経バランスの狂い】
過度なストレスなどが原因で交感神経が優位な状態が長く続くと、脳に「興奮」「不安」「恐怖」として信号を送り続けてしまいます。
その結果、イライラする、焦り、集中力低下など全身に緊張状態を与える状態を作り出してしまうのです。
また、急に忘れっぽくなるなど、記憶障害のような症状も現れることがあります。
交感神経優位な状態になると、脳は危険を察知して「危機状態」にモードを切り替えて大脳辺縁系をメインに使うようになり、冷静な判断が難しくなってしまうこともあります。
この状態になると、神経が過敏になることで情緒不安定になる(ちょっとしたことでイライラしたり泣きたくなる)といった症状や、無気力、慢性疲労の原因にもなりかねません。
リラックスを促してストレスを緩和するために、食事やサプリメントによる栄養摂取、適度な運動を心掛けることが大切です。
【おわりに】
脳と自律神経はお互い干渉し合っているために原因が分かりにくくなるという性質がありますが、逆にいうと、脳と自律神経のどちらかを改善すればもう一方も改善されるという考え方もできます。
自律神経やこころのバランスの調整に役立つハーブティーや、リラックス法を取り入れることで、イライラや焦燥感、思考能力の低下を和らげることができます。また、認知療法など、心理的な施術で心の中の不安や恐怖を取り去ることにより、自律神経のバランスや体調を整えることも可能です。