無気力、慢性疲労、性欲が湧かない 原因や具体的な症状
自律神経失調症は人の心にまで様々な影響を及ぼします。
無気力や、疲れやすいなどの慢性疲労、性欲に至るまで自律神経は深く関わっているのです。
こういった症状は体に急激な変化をもたらすものではないことが多いため、「何が原因なのか」、「いつ頃からなったのか」がわかりにくい症状でもあります。
もし、はっきりした原因がわからない場合は自律神経失調症を疑った方が良いかもしれません。
【1.無気力】
人の脳内には神経伝達物質であるノルアドレナリン、ギャバ、セロトニンなどがあり、それぞれ別の役割を果たしています。
精神や脳の健康状態に異常が無い時は微妙なバランスで相互の関係を保っていますが、ストレスを長く受け続けたり、慣れない環境などの影響で自律神経のバランスが崩れてしまうと、ときに無気力な状態を引き起こします。
ノルアドレナリンは交感神経(興奮)と関係しており、ギャバはその反対に副交感神経(リラックス)と関係します。
興奮状態、緊張状態が続くとノルアドレナリンが分泌されて反応し、リラックス時にはギャバが分泌され幸福感、安心感を味わうことができるというわけです。
これを管理、コントロールするのが『セロトニン』と呼ばれる脳内物質です。
セロトニンによるリラックス効果を意識しながら日々を過ごすことによって、心身の疲れや、気力の回復にもつながります。
逆にセロトニンが不足すると、『うつ病』などの現代病にかかるリスクが高まるため注意が必要です。
人のやる気はノルアドレナリンが必要となりますが、何らかのストレスにより交感神経が刺激され続けると、脳が錯覚を起こしてノルアドレナリンが分泌され続け、しだいにセロトニンの分泌中枢が麻痺してしまいます。
ストレスにより正常なバランスを失った神経伝達物質は「やるべき時」にやる気を出せない状態になります。
これが無気力状態を作り出してしまうのです。
また、これと良く起こる症状として、『不眠症』『肩こり』『常にだるい』『頭が重い』などが挙げられ、この二次症状として、『圧迫感』や『息苦しさ』、『焦燥感』などがあります。
これらは自律神経失調症や神経症の症状としては代表的なものですが、なった本人からすれば、「ただの体の不調」程度にしか思わない方も多いようです。
しかし、これらを放っておくと、『うつ病』や『対人恐怖症』などに発展してしまう危険性があるため、早急に対処する必要があります。
参考⇒自律神経失調症を自分で治すには~おすすめの改善法3選~
【2.慢性疲労感】
力仕事やスポーツなど強く筋肉を使うことをしていないのに疲労感を感じたり、体が常にダルく感じたりする状態が数週間続くと、それは自律神経失調症の疑いがあります。
精神的なストレスがかかり、長く悩みを抱えてしまうと、自律神経は常に交感神経優位な状態(興奮状態)になり、体の各器官は「運動状態」もしくは「緊急事態」のままになります。
心に悩みを抱えていると、体を休ませている時にでもストレスかかり続けますから、心身共に休むことなく動き続けることになるのです。
仕事が休みの日であっても会社のことを考えたり、それに気を病んだりしていると身体的には仕事をしている時と変わらないストレスを受け続けます。
それを解決するか、何かストレスから開放されるような趣味などがないと神経が休まることはありません。
こういう状態が数ヶ月も続くと心身ともに疲労感が溜まり、慢性疲労を引き起こしてしまいます。
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【3.性欲が湧かない・インポテンツ】
魅力的な女性を見ても性欲が起きない、この反対に魅力的な男性に誘われても一向に性欲の起きない女性は自律神経に不具合が出ている可能性があります。
性欲も自律神経が関係してきます。
男女ともに性欲が湧くのは副交感神経が優位な時です。
古代の動物達と同じような生活をしていた頃の人間は、周りには敵と危険に囲まれていました。
性行為をしている時は無防備であり、もしその最中に敵に襲われたらひとたまりもありません。
ですから緊急事態に働く交感神経が優位な間は副交感神経が働かないようになっていて、リラックス状態でないと性欲が起きない構造になっています。
性欲に精神的なストレスが強く関係するのは男性の方が強いと言います。
男性器の勃起は血流により行われますので、交感神経が優位な状態で血の流れが悪いと上手く勃起できなくなります。
そして勃起は副交感神経が優位な時に起き、射精時には一瞬交感神経が強まる、という複雑な過程で機能していますので、自律神経失調症でバランスが崩れて、2つの神経のスイッチが正確に行われない状態では射精障害などを起こし、そのこと自体が自信の喪失にも繋がってしまうのです。
【まとめ】
人の生活の様々なシーンで障害を及ぼす自律神経失調症は、負の連鎖を起こしてしまうと何が原因すら分からなくなってしまいます。
どこから手をつけてよいか分からなくなる前に、早期の対処をすることが治療のポイントになります。