自律神経の乱れによる過食や拒食│原因や具体的な症状

食事を摂ることは人体の生命維持には最も大切なことです。

体内の様々なセンサーが、足りない栄養分を察知して脳に指令を出すのですが、自律神経もこの指示によって活動しています。

塩辛いものが食べたい時は「塩分が足りない!」というように、人の味覚の好みにも影響を与えます。

摂食障害といって、食欲のコントロールができなくなることで全く食欲がわかなくなったり、反対に食べ過ぎたりしてしまう症状が出た場合は、このセンサーが無視されている状態です。

これは、多くのストレスや思い込み、考え方の偏りなどによって正常な感覚を失ってしまうのが主な原因です。

しかし、細かい原因を特定することは難しく、患者の約8割ははっきりとした原因が特定されていないとも言われています。

摂食障害は何科で受診する?治療法は?

摂食障害の診断や治療は主に内科、心療内科、精神科で行われます。

治療はそれぞれの原因にあった方法で行われますが、精神が不安定な状態である場合には、抗うつ剤や精神安定剤が処方されます。

薬以外には、カウンセリングや認知行動療法(考え方や物事の捉え方を変える)、行動療法(食事の量と行動の範囲を制限し、改善とともに制限範囲を緩和していく療法)などの治療法があります。

栄養過多によって身体的な症状が出ている場合には、ビタミン剤やカリウム剤、ホルモン剤なども処方されることがあります。

自律神経失調症と摂食障害の関係

摂食障害に悩まされる方は、自律神経のバランスが乱れていることが多いため、以下のような自律神経失調症の症状が同時に出ることがあります。

このような症状が同時に起こっている場合は、「自律神経失調症」を疑った方が良いかもしれません。

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【1.過食症の具体的な症状】

過食症の症状は食事の際に尋常ではない量の食べ物を食べて嘔吐したり、食後に後悔してもまた数日して同じことを繰り返したりするもので、食べている間は理性が働かず、行動をコントロールできない状態です。

自律神経のうちの活動を担う交感神経に刺激を受け続けると、早くその緊張から解き放たれたいばかりに大食いすることがあります。

この症状は過食の初期に起こり、肥満などに繋がりますが、過食症としては比較的軽度なものです。

 

これ以外には、過度なダイエットが原因でリバウンドを起こして過食する場合もあります。

これは人体が栄養不足により危機的な状態に陥った場合に現れ、この症状は自律神経失調症とは関連がありません。

しかしリバウンド時に起きる過食やその後に起きる拒食を繰り返すと次第に自律神経のバランスもおかしくなる可能性は高く、新たな摂食障害の原因をつくりだしてしまうのです。

しかし女性に多い、体型を気にする感覚を持ちすぎると、過食による体重の増加を気にして嘔吐したり下剤を乱用して排出するなどの行為を繰り返すとしだいに正常な食欲失われて過食に走る結果となります。

【2.拒食症の具体的な症状】

会社での仕事上の悩みや人間関係、その他の悩み事など精神的なストレスを受け続けると、緊張や興奮をつかさどる交感神経が優位な状態になります。

空腹感は副交感神経(リラックス)が働いている時にしか起きないため、交感神経が優位な状態では食べ物を受け付けず、「全然食欲がわかない」といった状態になってしまします。

過食と拒食は相互関係にあり、どちらか一つを発症してしまうと、時間をおいてもう一つの正反対の症状も現れることが多いそうです。

過度なダイエットはその典型と言えます。

自律神経のバランスが崩れてしまうと、脳の神経伝達物質やセンサーにも障害を与えてしまうため、満腹中枢や摂食中枢に異常が現れると「食べるべき時」と「食事を止めるべき時」の判断ができなくなり、食生活が乱れて肥満や栄養失調を引き起こしてしまいます。

【まとめ】

過食や拒食に陥る原因を、「単なるストレス・・」と軽視してしまう人は多いですが、実は人体の生命維持にまで関わることでもあります。

自律神経失調症の怖さはそのものが引き起こす健康被害よりも、長期間治療をせずに放置してしまった時に起きる連鎖障害の方に本当の怖さを秘めているのです。



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