不安感、心のモヤモヤ、胸のざわざわ感で眠れない│具体的な症状や原因、対処法、改善法
「いいようのない不安感」や「心のモヤモヤ」、「胸のざわざわ感」を感じることはありませんか?
これらの症状は、思い当たるような原因がなくても突如として襲ってきます。
症状が起こるタイミングもバラバラですが、こうした精神の不安定さは睡眠時に起きることが多く、これが原因で眠れない、熟睡できないといった症状に発展することもあります。
睡眠の質が下がったり寝不足が続くと精神状態はさらに悪化しやすくなりますので、できるだけ早めに対処するようにしたいところです。
ここでは、不安感や心のモヤモヤ、胸のざわざわ感で眠れない症状の原因や改善方法をまとめてみたいと思います。
この記事の目次
就寝時の不安・心のモヤモヤ・胸のざわざわ感ってどんな症状?
夜寝る時間になっても眠気が訪れず、心がモヤモヤとしたり、胸のざわざわ感などを感じて眠れなくなってしまうことがあります。
〈具体的な症状〉
- 「理由は分からないが漠然とした不安感に襲われる」
- 「怒りとも焦りとも言えないような感情で心がいっぱいになる」
- 「胸のあたりが”ざわざわ”として落ち着かない」
思春期の頃にあったような感情の不安定が起き、気がつけば何時間も寝付けなくなることもあります。
たまにこういった状態になるだけならば心配ありませんが、週に何度も眠れなくなって慢性化してしまうようなら「不眠症」の初期症状の可能性があります。
➡自律神経失調症になると不眠症状が出やすくなる理由と5つの改善法
心の不安定が起きる原因は?
心の不安定は「自律神経」が影響して起きる症状です。
「自律神経」とは、緊張と活動を促す「交感神経」と、休息を促す「副交感神経」の2つから成り立つ神経群のことで、内蔵・筋肉の動きやホルモンの分泌・代謝・免疫機能など、生体活動のあらゆる部分に関係する器官です。
たとえば睡眠に関して言うと、これから睡眠をとろうとするときには、副交感神経が優位に働いている必要があります。反対に交感神経が働いてしまうと、脳や体が興奮・緊張して眠れなくなるのです。
また、交感神経が”不適切に優位な状態”になると、人の感情に影響して不安感に襲われたり、理由もなく心がモヤモヤしたり、胸がざわついたりするという特徴があります。
これが精神が不安定になる原因です。
自律神経というのは、生まれてから徐々に成長して強くなりますので、思春期の頃はまだまだ未完成の状態です。
未成年者が、「理由の分からない不安を感じる」「将来を悲観する」「得たいの知れない恐怖感にさいなまれる」といった感情の波に襲われて夜中に悶々としてしまうのは、まだ自律神経が未完成だからだと言えます。
大人になってからこういう症状があらわれるのは、「自律神経失調症」が原因になって起きることが多いようです。
➡【不安・憂鬱・緊張・ストレス】を解消!おすすめのサプリメント
いざというときの『眠れないときの対処法』3つ
自律神経失調症や不眠症は、精神科や心療内科で診てもらうことができます。
しかし、軽度であるならば自分で対処することも可能です。
自律神経失調症からくる不眠症解決のコツを簡単にいうと、「眠ることをがんばりすぎない」ということです。眠ることを意識し過ぎると逆効果になってしまうことを、まず覚えておいてください。
以下に具体的に解説します。
①無理に寝ようとしないこと
「眠るという行為を頑張ろうとする」ことで、交感神経はさらに活性化してしまい、脳と体は「興奮状態」になってしまいます。
睡眠時には興奮を抑えてリラックスしなければなりませんから、「無理に寝ようとしない」ことが”皮肉にも”効果的なのです。
たとえば、一度布団や寝室から離れて好きなことをし、しばらく「眠り」から気をそらせたり、「今日は眠らなくてもいいや」とつぶやいて諦めてみるのも効果があります。
明日の仕事や用事のことを思い出し「なんとか眠らなければ!」と頑張ることは逆効果になってしまいますので注意しましょう。
②ストレッチをして(良く体を伸ばして)から布団に入る
交感神経が活性化されている時には、全身の筋肉や筋も硬直しています。
この筋肉のこわばりを、ストレッチによって柔らかくほぐすことで、自律神経の興奮を抑えることができます。
ただし、あまりハードにやり過ぎると呼吸が高まって興奮しますから、あくまで「ゆっくり」と「気持ちいい程度」にストレッチをしましょう。
ヨガの呼吸法のように、「ゆっくり吸って吐き出す呼吸」をしながら柔軟体操をすれば、さらにリラックス効果は高まるでしょう。
また、毎日の生活の中で体の骨格が歪むことでも自律神経に悪影響を与えます。
よく体を伸ばして歪みを矯正すれば、副交感神経が働きやすくなるといいます。
③ラジオや動画の音声を小さく流しながら眠る(余計な思考を遮断する)
自律神経が興奮すると、思考の幅が狭まって頭の中で同じことを考えたり、解決しない悩みについて何度も思い描いたりするものです。こういったマイナス思考的な感情もまた、交感神経への刺激の原因になります。
余計な思考を遮断させるには、他のことで気を紛らわすのが最適です。
ラジオを聞いたり、動画の音声のみをBGM代わりに流しながら、その内容に耳を傾けると良いでしょう。
「音」だけを聞いて目を閉じる行為には、高いリラックス効果があることがわかっています。ちょうど、赤ちゃんに聴かせる「子守唄」のような作用があるのです。
ただし、動画の画面を見ることは避けましょう。
強い光には脳を覚醒させる作用があるので、逆効果になってしまう危険があります。
症状の根本改善に向けた3つの方法
ある日突然眠れなくなったときには、前述の3つの方法で対処が可能ですが、自律神経失調症や不眠症を”根本的”に治すには、毎日の努力による体質改善が必要です。
①セロトニンの分泌を増やし、不安を感じにくい体質を作る
人の心や感情をつかさどるのは「脳内ホルモン」の動きだと言われています。
喜びや怒り・恐怖や緊張などはすべて「どんな脳内ホルモンが分泌されたか」によって決定されます。このホルモンの影響で、交感神経が働くか?副交感神経が働くか?が決まりますので、非常に大切なことだといえます。
その脳内ホルモンの中でとくに注目されているのが「セロトニン」です。セロトニンは「喜び」や「怒り」ではなく、「平穏」と「くつろぎ」をもたらすホルモンです。
人は喜びすぎても恐怖を感じすぎてもストレスを感じ、健康を害してしまいます。それを抑制する役割を果たすのが「セロトニン」です。もちろん、脳内にたくさん分泌されている状態が好ましいでしょう。
心と感情の波が強くなり睡眠を妨げているような場合には、『セロトニンを増大させること』が対処法の基本となります。
セロトニンを増やすには、「トリプトファン」などの”セロトニンの材料となる栄養素”を摂取するようにします。セロトニンの原料を手軽に摂取できるサプリメントは以下の記事でご紹介していますので、よろしければ参考にしてみてください。
➡セロトニン対策に!リラクミンクリアの特徴や強み、口コミを解説
②適度な運動でストレス解消
運動は交感神経側に凝り固まった自律神経を調整するのに適しています。
「交感神経=活動」「副交感神経=休息」とよく言われますが、じつは適度な運動は交感神経と副交感神経をめまぐるしくスイッチさせることができるのです。
たいていの運動は「活動」と「休息」を交互に行っています。
こうして、交感神経に入ったままのスイッチを強引に切り替えさせ、「自律神経をリハビリ」するのです。
運動をする時間に迷われる人がたくさんいますが、できれば就寝の5時間前、夕方までに運動をするようにすると、その後体温の低下が起こり、さらに眠りにつきやすくなります。
③場合によっては休職や転職を考える
自律神経失調症からくる不眠症を根本的に改善するのには長い時間を必要とします。
職場でのストレスなどが原因で自律神経失調症になった場合には、仕事を続けながら治療することは容易ではありません。
こういったときには、思い切って「休職」を考えることも選択肢の一つです。
「眠れないくらいで・・」と甘く考えてはいけません、自律神経失調症による不眠症は、「うつ病」などの重度な精神疾患に進行しやすいのです。
進行してひどくなると、自分では手に負えない状態になってしまいます。
また、あまりにも自分と相性の合わない職場ならば、健康と将来のことを考えて転職する覚悟も必要だといえるでしょう。
うつ病など重度の心身症になってしまっては、仕事はおろか一般的な社会生活もできなくなっては元も子もありません。
➡【自律神経失調症の休職】必要性・期間・診断書・傷病手当・復帰までの道のり
この記事のまとめ
- 就寝時の不安感・心のモヤモヤ・胸のざわざわ感は自律神経失調症が原因
- 「無理に寝ようとしない」「ストレッチをする」「ラジオなどの音声を聞く」ことで応急処置できる
- 根本的な改善には「トリプトファン」の摂取、「適度な運動」を心がけると良い
- 会社にストレスの原因がある場合には「休職」「転職」も視野に入れて考えたほうが良い