自律神経失調症になると太りやすくなる(痩せにくくなる)理由
自律神経失調症はストレスが原因で起きることが多いので、神経質になり「痩せる」というイメージをもたれます。
しかし事実はまったくの反対で、自律神経失調症になると太りやすくなる可能性が高まります。
実際に自律神経失調症を患う人には肥満傾向が強く、また「痩せにくい体質」になることも分かっています。
では、どうして自律神経失調症になると太りやすくなるのでしょうか?
新陳代謝の低下
自律神経失調症になると不眠症になりやすくなります。
そして不眠症になることで
- 体温の低下
- 成長ホルモンの分泌不足
- 筋力の低下
が起きやすくなります。
これらの特徴が現れた時に起こる現象が「新陳代謝の低下」です。
”代謝”とは栄養素をエネルギーに変換させて消費する機能ですので、これが低下すると体内に栄養素や老廃物が溜まりやすくなります。老廃物(セルライト)の蓄積によって皮下脂肪が増え、痩せにくい体質がつくられてしまうというわけです。
コルチゾールの増加
自律神経失調症になると、交感神経が優位になる時間が非常に長くなります。
交感神経が優位になると、副腎から「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールには筋肉を分解して脂肪に変えるという働きがあるため、痩せにくくなる原因になります。
またコルチゾールが増えると「セロトニン」という鎮静物質が消費されます。セロトニンが減少すると満腹中枢が正常に働かず、異常な食欲を起こしてしまうというリスクもあります。
ホルモンバランスの異常
自律神経はホルモンバランスにダイレクトに影響します。
自律神経失調症になると、ほぼ確実に「ホルモンバランス」も崩れてしまうのです。
このときの「ホルモン」の中には、糖を代謝する「インスリン」と「グルカゴン」があります。
インスリンが大量に分泌されると糖質を体内に貯め込んでしまうことになります。そのために太りやすい体質になってしまうのです。
そしてインスリンと反対の役割をはたす「グルカゴン」が減少し、貯めこんだ糖質を利用できずに徐々に体内で蓄積させてしまうのです。
自律神経失調症になると、上記の3つの要素が同時に起きて太りやすく痩せにくい体質になります。
またこれらは太るだけでなく、血管の健康状態を悪化させ生活習慣病の原因にもなりますので注意が必要です。
自律神経失調症は、初期段階では検査をしても数値に現れない症状ですが、太ったり血管に悪影響を及ぼし始めると現実的な「病気」として肉体をむしばんでしまう怖ろしい症状ともいえます。
【この記事のまとめ】
- 自律神経失調症になると「代謝の低下」で太りやすくなる
- 自律神経失調症になると「コルチゾールの増加」で太りやすくなる
- 自律神経失調症になると「ホルモンバランスの異常」で太りやすくなる