自律神経失調症から発症する喘息(ぜんそく)~原因や具体的な症状について~
「喘息」のメカニズムは複雑で、現代医療をもってしてもはっきりと解明できていない部分があると言われています。
身体的、精神的な要素の両方が影響することで咳が止まらなくなり、検査をしても数値として現れないケースも多々あるようです。
そういった状況の中で、「自律神経」が喘息と関係があるのではないか?とも考えられています。
全身の生体機能をコントロールする自律神経ですから、気管支の開閉などにも当然関わってくるからです。
このページでは、自律神経失調症から発症する喘息の原因や症状などをまとめてみました。
自律神経のバランスが狂いやすい明け方に喘息がでる
喘息の症状の特徴に「夕方や朝方にせきが出る」といったものがあります。
これは、自律神経がこの時間帯に切り替わることから起きるものと考えられています。
自律神経は、日中活動するためには交感神経が活発であり、反対に夕方以降や就寝前には副交感神経が優位になるために切り替わります。
自律神経失調症はこの「自律神経の切り替わり」がうまくできなくなりますので、気管支の状態が不安定になって咳き込みやすくなると考えられます。
アレルギー性の喘息であっても、やはり咳が出やすいのはこういった時間帯であり、自律神経が気管支にどれだけ深く関係しているのかが分かります。
自律神経の気管支に対しての働き
自律神経は全身の生体機能をつかさどっています。
活動中に優位になる交感神経は、気管支を広げる作用があり、休息時間に優位になる副交感神経は気管支を狭める作用があります。
この自律神経による気管支の開閉は、非常にデリケートで微妙に適切な口径に調整をします。
いつもより疲れを感じたり、ストレスを感じるだけで原因不明の咳が出るようなときは、短期的に自律神経が狂っていることが理由だと考えられます。
温度変化に自律神経がついていかないケース
地球のどこであっても日没から気温は低下し、明け方を最下点として、そこから気温が上昇しはじめます。
私たち人間の体も、この自然界の法則に合わせて体の機能が調整されるしくみになっています。
気温の下がる夕方以降に交感神経から副交感神経へ切り替わらないことで、気管支に悪影響を与えて喘息症状が出る場合があります。
最近では、どこでも空調が整備されて、自然界の温度変化とは違った温度を体に受けることが増えました。
過度に空調に頼ることでも自律神経のバランスを崩したり、喘息を起こしてしまうこともあるようです。
「咳が出る」という症状にはいろんな病気の可能性を秘めていますが、風邪でもなく呼吸器に異常もないのであれば、自律神経失調症を疑って見るとよいでしょう。
自律神経失調症からくる喘息は一般的な咳止めなどが効きにくいということを目安にしてみるとよいかもしれません。
【この記事のまとめ】
- 自律神経失調症の喘息は夕方や朝方に起きやすい
- 交感神経は気管支を開き、副交感神経は気管支を閉める働きをする
- 温度変化に自律神経がついていかないことも喘息の原因