自律神経失調症とリーゼ│効果・副作用・注意点

多くの精神科や心療内科では、当面の治療として「薬物療法」が用いられます。

その際よく処方されるのが「リーゼ」という抗不安薬です。

ここでは、「リーゼ」の効果や副作用、注意点などを解説します。

リーゼはどんな症状に処方されるのか

『リーゼ』は、薬品名「クロチアゼパム」と呼ばれ、多くの精神科、心療内科、または内科などでも処方される、精神や神経の高ぶりを抑えるための薬です。

比較的、症状の初期段階で処方することが多く、効き目としては最も弱い部類に入ります。

リーゼは以下のような症状の患者に処方されます。

〈リーゼが処方されやすい症状〉

  • 不安・緊張
  • 抑うつ状態
  • 肩こり・首こり・腰のこり
  • 睡眠障害

これらの症状は、自律神経のバランスが乱れ、興奮と緊張・不安をもたらす”交感神経”が常に高い人に起こりやすいものです。

リーゼの容量について

リーゼは他の精神病薬と同様に、症状の度合いや体質などによって処方する容量が調整されます。

リーゼには「5mg錠」と「10mg錠」があり、1日の最大服用量は「30mgまで」となっています。

精神病薬はたいてい、最も容量の低いものから処方し、様子を見ながら調整します。

リーゼも同様で、はじめは5mgからはじめ、5mg単位で量を増やしていくような処方がなされるでしょう。

リーゼの作用時間

精神病薬の強さと効き目の基準に「半減期」という考え方があります。

これは、薬の効果が約半分ほどになり、服用した患者は「薬が効かなくなってきた」と感じる時期のことです。

リーゼの半減期は約6時間くらいですので、このくらいの持続時間を持つ抗不安薬を「短期型」とよびます。

扱いが難しい精神病薬の中では、比較的おだやかで自己管理もしやすい薬だといえるでしょう。

リーゼの副作用や注意点について

短期型で効き目が弱いリーゼですが、「副作用」は存在します。

自分の判断で量を増やしたり、禁止されている使い方をすると危険がある薬であることを、認識しておかなければなりません。

リーゼの副作用の代表的なものは以下になります。

〈リーゼの副作用〉

  • 依存症
  • 倦怠感、だるさ
  • 吐き気
  • 集中力・注意力の低下
  • 頭痛・頭が重くなる
  • ふらつき・めまい
  • 幻覚・混乱・イライラ(離脱症状)

副作用は体質や性格などによっても現れ方が違い、とくに「依存性」は多くの方が苦しむ副作用です。

また、長期服用することで肝臓に大きな負担をかけることになるので、計画的に用いる必要があります。

最近では、こうしたリスクが極めて少ないハーブ療法もあります。自律神経のバランスや心の調子を整えるのに効果的なハーブをブレンドしたハーブティーは通販でも購入できます。

参考:メンタルケア、心身の強化に!MENTハーブティー

根本治療につながるセルフケアを取り入れよう

『リーゼ』を含む精神病薬の共通する性質は、「応急処置的な使い方」をするということです。しかし、実際には何年も服用を続ける方も多く、これが副作用に苦しむ大きな原因となっています。

そして精神病薬は、自律神経失調症の根本治療にはなりません

参考:自律神経失調症は病院に通うだけでは治らない。自分でできる改善方法を取り入れることが大切

 

薬の服用と平行して、自律神経失調症の原因を突き止めて改善していかなければ、延々と薬に頼ることになるのです。

「ストレスケア」や「生活習慣の改善」「正しい食生活」「物事のとらえ方を変える」などといったセルフケアを取り入れることが、症状改善のカギとなります。

参考:自律神経失調症を自分で治すには~おすすめの改善法5選~

 

抜け道の見つからない苦痛を感じると誰しも専門家を頼りたくなるものですが、精神科への受診だけで自律神経失調症の完治は難しいものです。

また、優れた精神科医は、薬をどんどん追加せずにセルフケアの大切さを患者に伝えます。

自律神経失調症を根っこの部分から改善させるためには、多くの知識を得てセルフケアをすぐに始めることが大切だといえるでしょう。

〈まとめ〉

  • リーゼは緊張と興奮からくる諸症状に処方される
  • リーゼの容量は5mgと10mgで、1日に30mgまでと決められている
  • リーゼの作用時間は約6時間
  • リーゼには依存症を含めた多くの副作用がある
  • 薬だけに頼らずセルフケアを並行して実践することが大切


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