私が自律神経失調症を薬に頼らず自力で完治するのに役立った6つの改善法

このページでは、私が自律神経失調症を発症してから完治するまでの道のりをできるだけ具体的に書いていこうと思います。

言うまでもなく、自律神経失調症は人によって症状が違います。

そのため、私の経験がすべての人の役に立つとは限りません。

しかし、過去を振り返れば、自分自身がこの病気を克服する際、『誰かの体験談やアドバイス』は貴重な情報源でした。

原因や症状が違っても、改善につながるヒントは少なからずあるはずです。

このページを見てくれた人が少しでも「がんばろう」とか「やってみよう」とか思ってくれるのであれば、それだけでこの記事を書く意味があるのではないかと思い、私が経験したことを1つの記事にまとめる決意をしました。

一人でも多くの方のお役に立てれば幸いです。


症状は突然ではなく徐々に現れた│どんな症状だったか

自律神経失調症と思われる症状が現れ始めたきっかけは、『職場でのストレス』でした。

当時は人間関係や仕事内容のことでストレスを感じることが多くなっていました。家に帰っても仕事のことがなかなか頭から離れず、常に悩みを抱えた状態だったと思います。

そんな状況でも、残業が月に100時間近くなることもあります。この時は肉体的にも精神的にも疲れ切っていました。

 

この頃に現れ始めた症状は、

  • 漠然とした不安感を感じるようになった
  • イライラしやすくなった
  • 緊張しやすくなった
  • 慢性的に疲れている

 

このようなものでしたが、この時は単に「少し疲れているだけだ、休めば治るだろう」としか思っていませんでした。

 

しかし、その思いとは裏腹に、症状はどんどん悪化の一途をたどります。

仕事が繁忙期になると、毎日の残業に加えて休日出勤する日も増え、プライベートな時間はほとんど取れません。このときは、自分が疲れているのか、疲れていないのかもわからない状況になっており、「ただがむしゃらに働くしかない」といった感じでした。

そしてついに、少し前まで「ただ疲れているだけだ」と思っていた症状も、「一度病院で診てもらったほうが良いかもしれない」と受診を意識し始める状態に。

最初に感じていた

  • 漠然とした不安感
  • イライラ
  • 緊張
  • 慢性疲労

 

に加えて、

  • 涙もろくなった
  • 目の周りがピクピクする
  • 人混みに入っていくのに躊躇する
  • 声が出づらくなった
  • ため息が増え、わけもなく落ち込む

 

このような症状も出るようになっていました。

ついに病院にいくことに│くだらないプライドと見栄

ここまで症状が悪化して初めて「さすがにマズイかも」という気持ちが出始め、数日後上司に自分の症状を報告することに。

すると上司は、私の疲れ切った顔を見て何かを察したのか「すぐに病院に行って診てもらった方が良い」と言いました。

私はそれを聞いてホッした半面、「こんなことで休んだらみんなにどう思われるかな」「明日から会社行きにくいな」と、少し複雑な気持ちになりました。

今考えるとどうでも良いことなのですが、この時は周りの目ばかりを気にして、一番大切にしなければいけない「自分の体」を第一に考えてやることができていませんでした。

また、このような症状で受診する場合は、通常であれば診療内科や精神科を選択するものですが、プライドや恐れのせいか何か気が引けるものがあり、『内科』での受診を選択しました。

病院ではどんな対処をしてもらったか

内科での診察は『問診』『聴診』によって行われました。

現在の症状をすべて話した結果、診断は「過労によるもの」ということで、軽い安定剤をもらい、しばらく様子を見る形になりました。

しかし、薬の量がごく少量だったためか、特に効果を感じることはできませんでした。

内科で診てもらったことがいけなかったのか、薬自体に問題があったのかはわかりません。ただ、病院に行ったことによる変化は何もありませんでした。

当然、それでも毎日仕事に行かなくてはいけませんので、つらい症状に耐えながら働くことになります。

しかし、私の心身はすでに限界に近づいており、

  • 体がいくら疲れていても眠れない
  • 人と話したくない
  • 動悸・吐き気がする
  • 肩こり・首こり

このような症状も出るようになっており、とても仕事をできる状態ではなくなっていました。

体が動かず仕事にいけない

このときは明らかに正常ではない精神状態で、「仕事をしたくても集中できない」「人と話したくてもうまく話せない」といった状況でした。

そんな状況で数日働いていたある日のことです。

今まで経験したことがないような感覚に襲われます。

「あれ?体が重い。。」

朝、いつものように目覚ましが鳴り、起きようとしても体が全くいうことをききません。

「早く起きて会社に行かなきゃ」という気持ちはあるのですが、体が思うように動かないのです。

まるで体が会社に行くことを拒絶しているかのようでした。

人生初の心療内科へ

自分の身に起きている症状を再び上司に報告し、すぐに心療内科へ行くことにしました。

病院に向かう途中、精神的に滅入っていたのと、情けない気持ちが入交り、涙があふれてきました。今までの我慢が一気に崩れるような感覚です。

それと同時に、今まで散々気にしていた「他人からどう思われるか?」などのプライドは、もうどうでも良くなっていました。

そんなことよりも、「このつらい状況から一刻も早く逃れたい」という気持ちの方が圧倒的に強くなっていたのです。

診察内容

病院に着くと、すぐに別室に呼ばれ、まず助手の方による簡単な問診が行われました。

  • 「どんな症状が出ていますか?」
  • 「いつ頃からですか?」
  • 「現在飲んでいる薬はありますか?」

 

この問診は数分で終わり、再び待合室で診察の順番を待ちます。

私が受診した日はたまたま空いていたため、すぐに順番が回ってきました(心療内科は平日でも混雑していることが多い)。

医者による診察は、最初に行った問診の内容をさらに具体的に話していくような形でした。

  • 発症のきっかけはあったか
  • 一番つらい症状はなにか
  • 明日からの仕事大丈夫?

 

など。

この時の私は憔悴しており、とても仕事ができる状態ではありませんでしたので、正直に「しばらく休みたい」と言いました。

すると、その日のうちに「自律神経失調症」という診断名で休職の診断書を発行してもらうことができました。

そして診断結果を上司に報告し、2か月間の休職を取らせてもらえることになったのです。

 

自律神経失調症は病院に行くべき?タイミングや検査、診察内容についてでも書いていますが、「あなたは自律神経失調症です」とすぐに断定できるような検査はありません。そのため、一般的には上記のような問診によって診断が行われます。

休職期間中の過ごし方

休職期間中に心掛けるべきこと、やるべきことはあるか、医師に確認してみました。

私の担当医師のアドバイスとしては、

  • 規則正しい生活を心掛ける(早寝早起き)
  • やりたくないことを無理にやろうとしない(自分がしたいと思ったことをやる)
  • リラックスできる時間を設ける

 

この3点でした。

また、ストレスに感じるようであれば、会社(上司)と連絡を取り合うことも控えた方が良いとのことでした。

確かに、せっかく心身を休ませられる環境を作ってもらったのに、仕事のことを思い出していては気が休まりません。

しっかり休んでリセットするためにも、会社と連絡を取り合うのは最小限に控えることにしました。

かさむ医療費、減る給料

休職期間中は、定期的に通院することになります。

私の場合、月に3回ほど通院し、診察料と薬代を合わせて1回につき1500円ほどかかりました。

残業代が出ない中、この出費はかなりキツかったです。

当分は有給の消化で乗り切ることができたため最低限の給料を確保することができましたが、有給がなくなると欠勤扱いになり、当然もらえる給料は減っていきます(会社の制度によっては傷病手当をもらうという選択肢もある)。

処方された薬

今回の心療内科で処方された薬は以下の通りです。

アモキサン

意欲改善作用、不安を和らげ気持ちを楽する

エチゾラム

不安や緊張を取り除き、心と体の調子を整える

リボトリール

発作を防ぎ、気持ちを安定させる。

リスパダール

不安、緊張、興奮を取り除く

葛根湯エキス

肩コリや首コリ、頭痛を改善する

 

自律神経失調症の症状は人それぞれ違いますので、その症状に応じた薬が処方されると思いますが、一般的に「抗不安薬」や「抗うつ剤」が処方されることが多いようです。

自律神経失調症で処方される薬や効果、副作用

私の場合は、これらの薬を飲むことによって、「不安感」や「緊張」が和らぎ、気持ちが楽になりました。


副作用や依存症、離脱症状に注意

これらの薬を服用すると、副作用や依存症、離脱症状が起きることがあります。

私の場合は、薬の力によって気持ちが楽になった一方で、「眠気」「ふらつき」などの副作用がありました。

昼間から強い眠気に襲われることが多く、頭が重い感じが続きました。起きていても、めまいのようにフラフラすることもありました。

これらの症状が辛くて自主的に一旦薬を飲むことをストップしたのですが、今度は頭痛や吐き気に襲われ、余計苦しい思いをしました。

ネットで調べてみると、飲み続けていた薬が体内からなくなることで「離脱症状」が起こるらしく、徐々に減薬しないと様々な症状が出る可能性があるとのことでした。

また、薬を絶つことによる不安や離脱症状によって、いつまでも服用を辞められずに依存してしまう方も多いようです。

薬との付き合い方

医師の方針によって処方の仕方は違ってきます。依存しすぎないように少量の薬だけで治療を進める医師もいれば、一定の量を数か月処方し続ける医師もいるようです。

基本的には医師の指示に従う必要があると思いますが、自分の意思と異なる場合はよく話し合う必要があると思います(治療方針、薬の量など)。場合によっては病院を変えてみるという選択肢もあるでしょう。

私の場合は、「薬に頼り続けていてはこの病気は一生治らない」と思っていたので、早い段階で薬の量を減らしてもらい、途中からは独断で薬を飲むことをやめました。当然この判断は自己責任になります。

もちろん薬を飲み続けた方が良い方もいますし、それぞれの症状や考え方によって変わってくるでしょう。

自律神経失調症は病院に通うだけでは治らない。自分でできる改善方法を取り入れることが大切

自力で治す方法を考えた

結局、薬の力を借りたのは2週間だけでした。

それからは、薬に頼らずなんとか自力で治せる方法はないかと、書店で関連する本を買い漁り、インターネットを使い役に立ちそうな情報を探しまわりました。

すると、解決の糸口になりそうな改善方法をいくつか見つけることができました。

実際に試してみると思ったような成果が得られずに失敗に終わることもありましたが、そんな中でも、確実に自分の心身を健康的に変えてくれたものにも出会うことができました。

考え方や行動を大きく変えてくれた書籍やフレーズを以下にご紹介します。

私が自律神経失調症を薬に頼らず自力で完治するのに役立った6つの改善法

思考編

①「ストレスは役に立つもの」という考え方

過去の自分は、ストレスに対して決して強い方ではなく、人間関係や仕事のプロジェクトによるストレスに対して神経質になることが多かったと思います。

自分が体調を崩したのは、ここに原因があったのではないかと考えました。

『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』という本に、感銘を受ける言葉が多く載っており、ストレスに対しての考え方が大きく変わるきっかけになりました。

以下に一部をご紹介します。

ストレスに強くなるというのは、ストレスを避けることではなく、ストレスを経験するなかで自分自身を積極的に変えていくことなのです。

不安をポジティブにとらえると、仕事がきつくてもバーンアウト(意欲をなくすこと)しないようになります。

ある研究の結果は、「ストレスや不安は、やりがいのある仕事にはつきものだ」と思って受け入れるようになると、ストレスや不安はエネルギーをすり減らす原因になるどころか、むしろエネルギーの源になる、ということでした。

不安や緊張を感じたときは、「興奮しているしるしだ」と自分に言い聞かせてれば、効果てきめんだと言います。

あなたもここ一番というときに実力を発揮したければ、無理に落ち着こうとしてあせらないことです。それよりも、「緊張したっていいんだ、興奮しているしるしだから。心臓もスタンバイしてるんだ」と自分に言い聞かせましょう。

あらゆる不安障害は、「不安と回避の悪循環」をまねく可能性があります。不安の原因を避けていると、かえって恐怖感が強まり、先のことがますます不安でたまらなくなってしまうのです。

「ストレスにはよい効果がある」と思っている人たちは、「ストレスは害になる」と思っている人たちにくらべて、うつ状態になりにくく、人生に対する満足度が高いことがわかったのです。

このように、「不安」や「緊張」、「ストレス」は役に立つものであり、考え方によってはエネルギーの源になるそうです。「ストレスは良いもの」と捉えている人は疲れにくく、挫折したりすることも少ないことがわかっています。

今までの私は、ストレスは体に悪いものだと思い込んで敏感に反応し、抵抗したり逃げたりしていました。しかし、実際にはそういった考え方や対処の仕方自体がストレスを生んでいたようです。

「ストレスは捉え方次第で力に変わる」「ストレスは健康を増進させ、成長を促す」

このような考え方を取り入れることによって、今までストレスだと感じていたことをポジティブに捉えられるようになり、精神的にかなり楽になりました。

ストレスを味方につける方法~定期的にあえて負荷・刺激を与えることも大切

②他者に生きるのではなく、自分に生きる

「他人の目が気になる」という方は少なくないと思います。

過去の私も「他人の反応」や「評価」ばかりを気にして生きていました。今思えば非常に不自由で窮屈な人生を送っていたと思います。

考え方を改めるきっかけとなったのは、インターネット上の情報によるものもありますが、一番影響を受けたのは「嫌われる勇気」という書籍に載っていた言葉です。

特に、以下の言葉は衝撃的でした。

われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」のです。他者の期待など、満たす必要はないのです。

他者からの評価ばかり気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。

承認されることを願うばかり、他者が抱いた「こんな人であってほしい」という期待をなぞっていきていくことになる。つまり、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになる。

他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。

「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。

「人に好かれたい」「嫌われたくない」という気持ちが強いほど、自分の意思を無視し、他人に合わせて生きることに繋がってしまいます。

これを回避するためには、「自己への執着」を「他者への関心」に切り替えることが大切だそうです。

これらの言葉によって、「人にどう思われるか」という考えを「この人の役に立てることは何か、どんな貢献ができるか」ということを考えるようになりました。

すると不思議なことに、今まで感じていた「人に良く思われたい」という承認欲求が薄れ、それと同時に、自分を肯定できるようになったのです。

こういった考え方を取り入れることで、他人目線ではなく「自分目線」で生きていけるきっかけとなりました。

いい人をやめる習慣を身につけ人間関係の悩みをなくす

③不平不満を言うのをやめ、感謝に変える

私は以下にご紹介する考え方を行動に移すことで、過去に悩まされていた「不安感」や「憂鬱」、「人と会いたくない」などの精神症状がかなり楽になりました(これは「ありがとうの神様」という書籍に載っています)。

どんな問題が起こっても、すべてに「ありがとう」と口に出して感謝する(受け入れる)。逆に、「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句」を言わないこと。すると、すべての問題も出来事も、幸せに感じて「よき仲間に囲まれる」ことになり、「喜ばれる存在」になる。

人間は、「自分の発した言葉」で自分の人生をつくっています。「私」の周囲の環境や、自分が立たされた状況は、すべて「自分の発した言葉」によって形成されていきます。ですから、「嬉しい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ツイてる」と言い続けると、この言葉をまた言いたくなる現象や出来事に囲まれます。

以前から、「感謝することにはさまざまなメリットがある」ということは聞いたことがありましたが、具体的な行動として何かをやってみたことはありませんでした。

書籍によると、日頃から「ありがとう」と何度も口に出して言うと様々な不思議なこと(良いこと)が起こるらしいのです。

私は以前からスピリチュアル的なことはあまり信じないタイプだったので、「そんなことで状況が変わるはずない」とかなり半信半疑でした。

しかし、実際にやってみると意外なほどに効果はすぐに現れ始めました。

掃除をしているときやお風呂に浸かっているときなど、特に感謝するようなことがなくても「ありがとう」という言葉を実際に声に出してつぶやきます(心の中でつぶやくよりも声に出した方が効果的だそうです)。

すると、数日経った頃から「不安感」や「憂鬱」を感じることが少しずつ減っていったのです。それと同時に、やる気や元気も少しずつ取り戻すことができました。

この習慣は今でも続けていますが、これによって得たものは図りしれません。

「ありがとう」という言葉には本当に不思議な力があります。一見理解しがたいことですが、やってみるとその本当の効果がわかると思います。

不安や憂鬱の取り除き方│不平不満や愚痴をやめ、感謝を口にする



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