自律神経の乱れに【睡眠薬】は飲んでも大丈夫?副作用と注意点とは
自律神経失調症で睡眠に関する症状が出ている場合は、多くの場合「睡眠薬」が処方されます。
うまく寝付けなかったり、熟睡できないなどの症状はさらに病状を悪化させる原因になりかねませんので、まずしっかりと睡眠をとれるようにと処方されるものです。
しかし、睡眠薬は取り扱いに注意が必要です。
間違った使い方をしてしまうと、反対に健康を害してしまうことにもなりかねません。
ここでは、睡眠薬の副作用や注意点などについてまとめていますので、使用前の参考にしてみてください。
この記事の目次
睡眠薬はこんな症状に処方される
多くの精神疾患(不安障害・うつ病・パニック症候群・自律神経失調症)には、「睡眠障害」が現れることがあります。そして、これらの精神疾患は十分な睡眠が取れないことでも悪化していきます。
ですから、自律神経失調症の場合も治療のベースとして睡眠薬を処方されることが多いのです。
〈睡眠薬を処方される症状〉
- 夜に眠ることができない
- 睡眠中に何度も目が覚めてしまう
- 日中に強い眠気を感じることが多い
- 起床時間よりも早く目覚めてしまい眠れなくなる
- 熟睡できない
これらに程度の差はありますが、どれも「睡眠障害」に分類される症状です。
自律神経失調症は、「交感神経が高まっている時間が長く、副交感神経の高まる時間が短すぎる」症状です。脳と精神の休息時間が極端に短いことで、脳機能と自律神経にも悪影響を及ぼします。
自律神経失調症の改善には、健康な人よりも質が高く十分な睡眠を必要とするため、精神科では睡眠薬を用いるのがセオリーとなっているようです。
➡自律神経失調症と睡眠薬【マイスリー】│効果・副作用・注意点
市販の睡眠薬と病院の睡眠薬の違い
睡眠薬の利用には専門的な医療知識が必要ですので、一般のドラッグストアなどでは販売されていません。
しかし、最近では「睡眠薬」とは表示していないものの「ぐっすり○○○」とか、「眠り○○○」といった、睡眠を連想するような名前の薬が販売されています。
これらは、市販を許された弱い成分が使われた薬で、主剤には「ジフェンヒドラミン塩酸塩」などが配合されています。
これは、風邪薬によく使われる成分で、副作用はあるものの一般の人でも取り扱えるレベルのものです。
また、こういった脳の興奮を麻痺させるものではなく、自律神経や脳内ホルモンを調整する効果のある「自然の生薬」や、トリプトファンのような医学で鎮静効果が認められている栄養素を主剤としたサプリも人気です。
もちろん、自然の植物を原料としているので、副作用や依存の心配もありません。薬とは比べものにならないほど安全なものです。
病院で処方されている睡眠薬は、化学物質の作用によって脳内ホルモンを操作するような性質ですので「対症療法」、つまり「応急処置」ということになります。
これに対して自然の植物を使ったサプリなどは、即効性こそ病院の薬には劣りますが、自律神経や脳内ホルモンのバランスを整えて「本質的な改善」ができることで人気が高まっています。
睡眠薬の副作用・注意点
ここで、病院で処方される睡眠薬の注意点をしっかり確認しておきましょう。
現在の睡眠薬は昔のものとくらべるとかなり安全性は高くなっていますが、それでも多くの人が副作用に悩まされているのが現状です。
ただでさえ治りにくい自律神経失調症に、睡眠薬の副作用まで加われば、治療はさらに困難になります。
現在の睡眠薬のほとんどは「ベンゾジアゼピン系」という、脳内ホルモンGABA(ギャバ)の働きを強化する作用のものです。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用は次のようなものがあります。
〈ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用例〉
- 薬を減らしたり止めることができない(依存症)
- 物忘れをする(記憶障害)
- フラフラする、倒れてしまう(筋弛緩症状)
- 興奮・錯乱し平常心を失ってしまう(せん妄)
- 翌日まで眠たい(持ち越し効果)
これら以外にも、吐き気や頭痛、喉の渇きなどを感じるなどの副作用もあります。病院で処方される治療薬の中でも、睡眠薬はとくに副作用が多いものとして認識しておく必要があるでしょう。
また、睡眠薬は他の治療薬などよりも、量を勝手に増やしたり飲む頻度を自己判断で増やすなど「乱用」しやすい特徴があり、それが副作用の被害を増やしてしまう一因にもなっています。
薬に頼り続けることは根本の改善にはならない
先ほども少し書きましたが、病院で処方される睡眠薬は、自律神経失調症の根本的な改善にはなりません。それ以上症状が悪化しないために”応急処置的に飲むためのもの”と思っていいでしょう。
また、睡眠薬の副作用は長期間飲み続けることで危険性が高まるので、本来ならばごく短い間だけ飲むものです。しかし多くの精神疾患患者に、薬を手放せなくなり病気も治らない・・・といった、八方塞がりになるケースが目立ちます。
病院では睡眠薬を使いながら、同時に患者の生活習慣を改めるよう指導しますが、それこそが「自律神経失調症の治療」なのです。
しかし多くの病院では、口頭でアドバイスをしてくれるものの、専門的な治療施設を持ちません。ほんとうの自律神経失調症の治療は、病院にかかってもなお「セルフケア」が基本だということを忘れないようにしたいところです。
病院で診てもらうにしろ、市販の薬を使うにしろ、自律神経失調症の治療には本人の知識と努力が必要になるのです。
このサイトでも効果的なセルフケアの方法をいくつかご紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
〈まとめ〉
- 病院の睡眠薬は自律神経失調症などの精神疾患全般に処方される可能性がある
- 病院の睡眠薬には多くの副作用とリスクがある
- 病院の睡眠薬だけでは自律神経失調症の根本改善にはならない
- 病院でも治療は「セルフケア」になるので患者自身の努力が必要