記憶力や集中力の低下、感情が敏感になる症状について

自律神経失調症の症状が出はじめると、記憶力や集中力が低下したり、小さなことにも敏感に反応してしまうような不安定な精神状態になりがちです。

これは脳内の神経伝達物質が、正常でない自律神経のバランスに悪影響を受けてしまうことが原因です。

このページでは、その仕組みを詳しく解説してみます。詳しい仕組みを知ることで症状の改善にもつながりますので、ぜひ参考にしてみてください。

脳機能の決め手、『アセチルコリン』のメカニズム

脳の計算、記憶、集中力などの機能に関わる神経伝達物質に「アセチルコリン」があります。

これは、全身の筋肉や骨格の動きに働きかける物質です。

アセチルコリンは人の情動に関わるドーパミンやノルアドレナリンとも連携しており、その中心的な存在として知られています。

アセチルコリンは副交感神経が活性化している状態で蓄積されていき、ある量まで増えると次にドーパミンが分泌され、そのドーパミンからノルアドレナリンが生成されます。

アセチルコリンが正常に分泌されないと、人の情動や知性を担う神経伝達物質も不足しがちになると言われています。

記憶と集中力に関わるドーパミン・ノルアドレナリン

ドーパミンは快感ホルモン、ノルアドレナリンはやる気や抗ストレスホルモンとして知られていますが、これらは脳の知能中枢になくてはならない存在であり、不足すると脳の知的活動に支障が現れます。

ドーパミンが不足すると、神経に報酬が得られず、絶えず「辛さ」だけを感じるようになります。

つまり勉強や作業が長続きせず、頻繁に休憩をとりたくなったり、投げ出したくなったりするのです。

ノルアドレナリンは冷静な判断を下す扁桃体と、記憶をつかさどる海馬にはたらきかける性質があり、不足すると記憶や編集能力などが低下してしまいます。

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またうつ病患者は極端にノルアドレナリンの分泌が少ないことが多く、無気力や思考停止の原因とも考えられています。

セロトニン不足が感情に影響する

ストレスで交感神経が優位になり、副腎からコルチゾールなどの抗ストレスホルモンが出てしまうと、前述のノルアドレナリンは逆に分泌量を増やし過ぎてしまいます。

脳が外敵の存在を察知すると「究極のやる気」を出させるために分泌を加速させるのです。
そしてこのノルアドレナリンをコントロールするのがセロトニンの役割であり、ドーパミンも同じくセロトニンに制御されている伝達物質です。

自律神経失調症になると、このセロトニンが自律神経の興奮を抑えるために非常に多く消費され、しだいに足りなくなることがあります。

セロトニンが不足した脳は焦燥感やイライラ、落ち着かない・・といった状態になりやすくなり、敏感になって些細なことで心が大きく揺れ動かされたり、神経質になり過敏反応を示すようになります。

参考:セロトニン対策に!リラクミンクリアの特徴や強み、口コミを解説

参考:【情緒不安定】神経が過敏になり、ちょっとしたことでイライラしたり泣きたくなる

【まとめ】

「心の問題」とされてきた人の情動も、こうした神経伝達物質の研究の進歩で科学的証明されるようになり、その研究が進歩してこれまで「精神の領域」であった神経系の疾患なども解決の糸口が見えてきているといいます。

知能に影響を与えるドーパミン、ノルアドレナリンなどは強いストレスでも消費されますが、食生活の乱れによって、合成に必要な栄養素が得られないことでも分泌が不足することも覚えておきましょう。



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