自律神経失調症とあがり症・対人恐怖の関係~原因や具体的な症状について~

現代では、「社会不安障害」という精神的な疾患が急増しています。

「あがり症」や「対人恐怖症」などがその代表的なものです。

社会不安障害は会社でのコミュニケーションに大きな障害となり、状況が悪いと最悪はうつ病などになり生活全体に暗い影を落としてしまう結果になりかねません。

「あがり症」や「対人恐怖症」などは軽度であれば多くの人がその要素を持ち合わせているといいます。

しかし、こういった性格的な傾向に「自律神経失調症」が加わることで、徐々に社会不安障害が進行することもあります。

長く原因不明と考えられてきた自律神経との関係性を考えることで、医療の専門家でない一般の私たちでも克服する糸口が見えてくることがあるかもしれません。

あがり症や対人恐怖症の原因や具体的な症状をみてみましょう。

あがり症の症状や原因は?

日本人はとくに「あがり症」の人が多いといいます。

大勢の前で話をしたり、挨拶などは苦手な方が多いのではないでしょうか。

具体的な症状としては・・・

・発汗
・赤面
・吃音
・ふるえ
・硬直
・血の気が失せたような感覚
・妄想

 

などがあります。

また、試験や大切な仕事などの本番でもあがってしまい実力を出せないことも多く、こういったことが続くことで自分の中に苦手意識をつくってしまい、ストレスを増幅させてしまいます。

実際の本番の数日まえから徐々に緊張を感じてしまったりすると、その日が来る前にかなりのストレスを溜め込んでしまうことになります。

過去に人前で恥ずかしい思いをしたなどの出来事がトラウマとなって原因をつくってしまうことが多いようですが、徐々に緊張しやすくなったという方は、セロトニンという脳内物質が関係している可能性があります。

「セロトニン」は人の脳内にある物質で、精神安定の役割を持っています。セロトニンはストレスを受けることで失われていきます。長期間ストレスを受け続けたり過度のストレスが加わると、いずれ産生が追い付かなくなり不足するようになります。

セロトニンが不足すると、不安や緊張を感じやすくなり、ちょっとしたことにも敏感になったりあがりやすくなるといった弊害が出てきます。

セロトニンを増やすには、生活習慣を見直し、正しい食事法や運動を取り入れる必要がありますが、十分な効果を得るためには長期間継続する必要があります。

そこで注目されているのがサプリメントの活用です。セロトニン対策に有効な栄養成分を効率よく摂取することによって、不安や緊張、ゆううつ、神経過敏などといった体質の改善が期待できます。

セロトニン対策として人気のあるサプリメントは以下の記事で詳しくご紹介していますので、興味のある方は参考にしてみてください。

セロトニン対策に!リラクミンクリアの特徴や強み、口コミを解説

対人恐怖症の症状や原因は?

「対人恐怖症」はあがり症などが長期的に続くことで「他人と接したくない」「他人とコミュニケーションをとるのが怖い」などといった状態になることがあります。

あがり症は会社や学校での生活のあらゆる場面で障害になりますので、しだいに精神的にまいってしまうことになります。

「会社に行きたくない」「学校に行くのが嫌だ」という人が急増して社会問題にもなっていますが、こういった現象の裏側にあるのが対人恐怖症であることは疑いのない事実でしょう。

昨日までふつうに会社や学校に来ていた人が、突然「うつ病」になって引きこもってしまうというこは、最近では珍しいことでもなくなりました。

周囲の人には気づかないところで、対人恐怖症の症状は進行していくことが多いようです。

視線恐怖と表情恐怖も対人恐怖症の一種

他者とのコミュニケーションに苦痛を感じてしまう社会不安障害の中には「視線恐怖」「表情恐怖」などがあります。

身体的には数値的な症状が現れないこれらの障害ですが、放っておくと致命的なほど進行することもあるそうです。

他人の目が気になって落ち着かない『視線恐怖』とは?

職場や学校などで、自分が「周囲から見られているのではないか?」と必要以上に意識を高めてしまうのが『視線恐怖』です。

大勢の前でのプレゼンや発言、得意先からの電話の対応、顧客との接客中などに視線を強く意識してしまうのです。
発汗や赤面・吃音・動悸などの症状が現れて集中力も失くしてしまうこともあります。

この時には周囲が思う以上に本人にはストレスがかかっていて、ひどく疲れてしまいます。
誰も見ていない一人の作業ならば問題なくできることが、周囲に人がいることでまったく実力を発揮できないのが『視線恐怖』の特徴です。

自分の表情が気になる『表情恐怖』とは?

『表情恐怖』自分が他者に対して見せる表情を意識してしまう障害です。

自分がつくる笑顔などにヘンに意識が向いてしまい気になるのです。
こういった障害のある人は顔が引きつったり、引っ込み思案になったり、会話の声が上ずったりします。

コミュニケーションが苦手になるのは当然ですので、社会で生きていくのが辛くなってしまいます。

先ほどの視線恐怖もそうですが、これらの障害がある人は、そうでない人よりも職場や学校で受ける疲労は何倍も多く、不登校や出社拒否、さらに悪化すると自律神経失調症やうつ病などを招いてしまう可能性も高いと言われています。

あがり症・対人恐怖症と自律神経失調症の関係

冒頭でも書きましたが、「あがり症」は誰でも持っている性格ですが、「自律神経失調症」が加わることで症状が悪化してしまうことも考えられます。

自律神経失調症は、ストレスなど精神的なことが原因で起きることもありますが、その他の生活の中にも原因は潜んでいます。

  • 睡眠不足など睡眠環境の悪化
  • 昼夜逆転など生活リズムの狂い
  • 食生活の悪化
  • 女性のホルモンバランスの狂い
  • 日光に当たらない生活
  • 運動不足

 

など、物理的な原因でも自律神経失調症になることも少なくありません。

他人とコミュニケーションをとるとき、大勢の人と接する時に受ける「軽度なストレス」に対し、自律神経失調症の人は数倍の大きなストレスとして受け止めてしまうことで、精神的なダメージを深いものにしてしまうのです。

視線恐怖や表情恐怖の原因は?

視線恐怖や表情恐怖の原因は、本人の性格や幼少期、または過去のトラウマなどだと考えられています。

これらは言い換えると「コミュニケーション不足」「苦手意識」「嫌な思い出」など精神的な要因です。
しかし社会不安障害がすべて精神的な要因で発症するかというとそうではありません。

「自律神経失調症」などの肉体的なストレスが原因でも起きることもあるのです。
自律神経失調症になると、「交感神経」が優位な状態が続き、このときに全身はリラックスできずに緊張状態になります。

長期間交感神経が働くことによって心身ともに疲れ果てると、ストレスに弱くなったり新しいストレスを自らつくりだしてしまいます。

自律神経失調症になると、「苦手なことがさらに苦手」になり、やがては不安障害という病的なレベルに達してしまうといったことも珍しくありません。

自律神経失調症の厄介なところは「原因にも結果にもなる」ということです。

不安障害に苦しめられることで自律神経失調症になることもありますし、自律神経失調症が原因で不安障害を発症させてしまうこともあります。

【この記事のまとめ】

  • あがり症は過去の失敗やトラウマによって起きる
  • 対人恐怖症はあがり症が進行することによる症状
  • あがり症や対人恐怖症は自律神経失調症によって発症、悪化することがある
  • 視線恐怖は他者の目が極度に気になってしまう不安障害
  • 表情恐怖は自分の表情や行動を気にし過ぎてしまう不安障害
  • 自律神経失調症は不安障害の原因にも結果にもなる


サブコンテンツ