神経質で敏感な性格は仕事ストレスを抱えやすい。改善するためにできること

仕事で大きなストレスを抱えやすい人は、その人の”性格”が原因になっていることも少なくありません。

とくに注意したいのが「神経質で敏感な性格の人」です。

神経質で敏感なのも、その人の個性であり持ち味なのですが、ストレスの多い現代の日本社会では、仕事において過度な精神的負担を強いられることもあります。

ここでは、神経質で敏感な性格のメリットやデメリット、気にしすぎやこだわりを捨てることの大切さなどを解説します。

神経質で敏感な『気にしすぎタイプ』の性格

神経質で敏感である『気にしすぎるタイプ』の性格の人は、日本人にはとくに多いと言われています。

普段の自分の行動や他人の言動、また周囲の人が考えていることから衛生的なことまで、ありとあらゆることに注意を向けてしまうタイプです。

また、自分の価値観に合わないものを許容することができないという特徴もあり、普通の人があまり気にかけないような事象に対しても精神をすり減らしてしまいがちです。

神経質で敏感なタイプの人は、戦後の高度成長期以降に増えたという説もあります。

昔の日本で尊敬された「どっしりと構えて大らかな人間性」という価値観から、大きく変化してしまったこともその理由の一つなのかもしれません。

最近になって急増している自律神経失調症をはじめとしたストレス障害も、こういった性格が少なからず関係していると考えられています。

神経質で敏感な性格のメリット

もちろん、神経質で敏感な性格のすべてが悪いわけではありません。

こういったタイプの人は向上心や責任感が強く、また他人に配慮する精神もあり、社会的には一定の成功をおさめていることが多いのです。

会社やコミュニティーにおいて、ちゃらんぽらんな人よりも、神経質で敏感な人の方が重宝されるのも当然です。

一定限度を超えなければ、神経質で敏感な性格というのは日本のような大きな社会で生き抜いていくためには必要な資質であるとも言えるのです。

神経質で敏感な性格のデメリット

神経質で敏感な性格のデメリットは、”自分自身への負担が大きいこと”だと言えるでしょう。

神経質で敏感な人は、同じ時間、同じ職場で働く他の人よりも精神的な消耗が激しいのです。

仕事ができることで責任職に就くことも多いですし、根が生真面目なので、ほどよく手を抜くことができずに、許容量をオーバーしやすいのもこの性格の特徴です。

無理を重ねているうちに、不眠症や不安神経症・自律神経失調症になったり、最悪の場合には「うつ病」「出社拒否」へと悪化していくケースも考えれます。

敏感であらゆることを気にしすぎ、そしてこだわりを強く持ちすぎる性格には、こういったリスクもあることを知っておく必要があるでしょう。

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神経質で敏感な性格はどう作られる?原因は?

では、事の発端として、「神経質」「敏感」という性格はどうやって作られるのでしょうか?

原因とした考えられるのは以下のようなものです。

親からの遺伝

うつ病やノイローゼなどの精神疾患や、体の作り(自律神経など)の弱さなどは、一定数「遺伝」もあるといわれています。

これは精神医療の現場においても、古くから確認されていて、精神科系の病院を初めて受診すると「身内に精神疾患の方はおられますか?」という質問がされることもあります。

とくに”自律神経”というのは物理的な体の「器官」ですので、肉体的に似ることの多い親子では、そこも引き継いでしまうこともあります。

ただし、精神疾患や自律神経などの遺伝は、全体的に見るとごく少数の割合で、現在日本で自律神経失調症の患者が急増しているからといって、そういった遺伝子を持つ人が増えているというわけではありません。

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ストレスの過多(セロトニン不足)

神経質・敏感な性格をつくるものとして、「ストレス過多の生活環境」ということも挙げられます。

そして、そのストレスこそが、人の精神の健康を左右するという「セロトニン」をたくさん消費させ、しだいに病的な症状を生み出してしまうのです。

とくに仕事における人間関係のストレス、責任・プレッシャーのストレスは心身の健康状態に多大な影響を与えます。何事にも過敏に反応してしまう方ならとくに、仕事上で受けるストレスは大きなものになるでしょう。

また、「ストレス」といっても精神的なものばかりではありません。

人は次のような物質的な外的ストレスを多く受けてしまえば、精神にもその負担が波及していくようになります。

  • 公害
  • 騒音
  • 人口の多さ
  • 食品添加物
  • 自然の少ない生活環境

これらは、現在のわれわれが暮らす生活空間にあふれているものです。

こういった精神的なものでない外的ストレスもまた、長期間受け続けることでセロトニンを減少させることにつながってしまうのです。

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育ってきた環境や経験によるもの

「遺伝」とはまた別に、幼少期の育ってきた環境や経験が影響し、神経質で敏感な性格になることも多いようです。

幼少期の教育方針や家族内での精神的なダメージなどが原因となるものです。幼少期の環境や体験による「トラウマ」は、精神医療の考え方の根底となります。

自分の記憶になかったとしても、多感な幼少期に受けた心の傷やショックな出来事が、成人してからの人格形成に大きな影響を与えるというのは、当然のことなのかもしれません。

神経質や敏感を改善して快適に過ごすためには

ストレスを受けやすい現代社会において、神経質や敏感な性格でい続けることには一定のリスクがあります。

しかし、ちょっとした心がけ次第で働きやすくなったり、プライベートをさらに楽しめるようになるのも事実です。

以下にご紹介する方法を参考にしてみてください。

環境を大きく変える

もし現在、神経質な性格によって人付き合いに苦痛を感じているのであれば、思い切って環境を変えてみることをおすすめします。

対人関係によるストレスは、大勢の人の中で働いていればどうしてもコントロールすることが難しいものですが、少人数の中なら感じるストレスを大幅に減らすことも可能になります。

長期間同じ会社に勤めてしまうと視野が狭くなり、「私はここでしか働けない」「自分にできることはこれしかない」などといった考え方に陥りがちですが、実際にはそんなことはありません。

最近は働き方が大きく変わってきていることもあり、職種や勤務時間などのバリエーションはかなり増えてきています。

もちろん、対人ストレスの少ない職種や、心身に負荷の少ない勤務時間でも高収入を得られるようなものもありますので、一度模索してみることで大きな変化が生まれるかもしれません。

まずは無料で利用できる『転職サービス』を活用し、

  • 自分の強みや適正職務はどんなものなのか?
  • 自分を欲しがってくれる企業はどういったところなのか?
  • 自分の市場価値はどのくらいなのか?

といったことを知っておくだけでも違います。

『ミイダス』というサイトなら、完全無料でこうした情報を事細かく知ることができますので、無条件で登録しておくことをおすすめします。

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ストレスの解消、セロトニン対策を意識する

人間の感情は脳や神経で作られると言っても過言ではありません。

中でも大きな影響を与えているのが、脳内にある”神経伝達物質”という数種類のホルモンです。

高ぶった感情や神経質な状態になるとき、脳内では「セロトニン」という物質が分泌され、冷静な状態に戻そうとするのですが、あまりに長期間神経が高ぶった状態が続くと、セロトニンが大量に消費されて不足するようになります。

セロトニン不足はさらに神経を興奮させ、そして感情を敏感にさせてしまいます。

普通の人ならば何でもないようなことに引っかかり、イライラしたり不安になったりするのも、まさにセロトニンが不足していることから起きる事象なのです。

ですから、ふだんからセロトニンを不足させないように、「ストレスの解消」と「セロトニン対策」をしておくことが大切です。

また、セロトニンは「トリプトファン」という、食品に含まれる成分を原料に体内で合成されます。

豆類や動物性たんぱく質、バナナやキウイなどに多く含まれますが、最近では良質なサプリメントもあり、効率よく摂取することも可能になっています。

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リラックスを促すことで症状は改善される

受けたストレスを毎日その日の解消するためには、”リラックスする時間”を意識的に設けることが効果的です。

「リラックス」と言っても、ただソファの上に寝転がっているだけではあまり意味がありません。

忙しくてまとまった時間がとれない人におすすめなのが、「ハーブティーを飲むだけ」といったシンプルな方法です。

ハーブには、優れたリラックス成分や沈静成分が含まれており、イライラや不安感、憂鬱、緊張といったマイナスの感情を緩和するのに役立ちます。

反対に、やる気や気力を向上させるようなハーブもあり、その時の気分やシチュエーションによって使い分けることができます。

ストレス対策や眠り対策に使えるハーブティーをお探しの方は、メディカルハーブ専門店【enherb(エンハーブ)】がおすすめです。

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考え方を変える-気にしすぎ・こだわりすぎをなくす練習をする-

「神経質になる」「敏感になる」というのは、ある意味”突発的な反応”だと言えます。

身の回りで起きることたことを察知すると、ついつい気にしすぎたり、深く考え過ぎてしまうものです。

これは、価値観の根底に”こだわり”が潜んでいるからです。

神経質で敏感な人は、あるらゆる事柄に、

  • 「こうでなければならない、こうあるべきだ」
  • 「これだけは絶対にしてはいけない」
  • 「それは絶対に間違っている」

 

といったこだわりが多いといいます。

これらの考えは、自分自身の逃げ道をふさいでしまい、軽い失敗によって受けるダメージを何倍にも大きく膨らませてしまいます。

気にし過ぎたり、必要以上にこだわってしまうのは、すでに「身についてしまった癖」のようなものです。

上に挙げたものとは反対に、おおらかな心を持つためには、日頃から考え方を変える練習する必要があります。

  • 「他の考え方もあるかもしれない」
  • 「失ってしまっても命が奪われるわけではない」
  • 「何が間違いなのかは、長い時間が経ってみないと分からない」
  • 「人はすべて同じではない」

 

というように、神経質になった瞬間に考えるように練習するのです。

自分で自分に言い聞かせるように続けると、しだいに「考え方の質」が変わり、小さなことで神経をすり減らすようなことが減っていくでしょう。

完璧を求めすぎず柔軟な考えを持つと人間関係は楽になる

 

神経質や敏感といった性格的な問題は、考え方や行動次第で少しずつ変えることができます。

もし「働きにくさ」や「生きづらさ」を抱えているような方は、上記にご紹介したような方法をまず試してみてほしいと思います。

〈まとめ〉

  • 神経質で敏感な『気にしすぎ』タイプは日本人に多い性格
  • 神経質で敏感な人は会社やコミュニティーで信頼されることがメリット
  • 神経質で敏感な人は自分自身の心身への負担が大きいことがデメリット
  • 「親からの遺伝」や「過去の経験」が神経質な性格の原因になることがある
  • 「ストレス過多の生活(セロトニン不足)」も神経質の原因になることがある
  • 「気にしない」「こだわらない」練習をすることが改善のカギになる
  • 「ストレス解消」「セロトニン対策」をすることが改善のカギになる


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